基幹教育とは

About the faculty

科目構成

基幹教育セミナー

科学技術が急速に進歩しグローバル化が進展する現代では、一人ひとりが変化や多様性と“しなやか”に付き合い、柔軟に適応していくことが求められます。このことを可能にするのは、私たちの生涯にわたる自律的な成長を支える<学びの基幹>です。すなわち、社会の諸課題や自己について多様な観点からの知識・情報を受けとめて批判的に考察しつつ、自ら問題を発見し、絶えず主体的に学び続ける態度です。本授業は、異なる専門分野を目指す学生および教員との対話や、それを踏まえた自己省察を通じて、一人ひとりが<学びの基幹>を育むことを目的としています。
学修目標として、①一人ひとりが自らの大学における学びについて、関連する知見を広く吸収しつつ、自らに問いかけ他者に伝え、また他者からの反応を受けとめる体験を通じて、大学における学びへの意欲を高めること、②こうした仲間との対話や自己省察から新たな気づきや疑問を発見する過程を通じて、創造的・批判的に問題に取り組み学んでいく態度を培うこと、③対話や省察を通じて得た自らの学びが持つ可能性や意義、今後の展望等についてプレゼンテーションができるようになること、④このような学びのプロセスにおいて自分がどのように成長したいのか、自分の言葉で表現できるようになることを目指します。

課題協学科目

この科目では、現代社会が抱える様々な課題や問題の中から授業テーマを設定し、そのテーマに対する文系・理系にまたがる複数の学問的なアプローチを提示します。みなさんが幅広い視野と考え方を修得するとともに、文系・理系学部混成のグループで議論し合う協働学習により、思考能力を高め、他者と協力しながら自主的に学習を進めることのできる姿勢を身に付けることを目標としています。授業の進め方が通常の授業科目とは異なりますので、課題協学科目の項を参照してください。

言語文化科目

言語文化科目は、外国語で目標の課題を達成することができる言語運用能力の習得を目指します。また、外国語の背景にある異文化に対する理解を深めながら、母語や自国の文化を相対化する力を養います。英語科目においてはより高度な運用能力を習得できるよう、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの学習に加え、英語によるプレゼンテーションやディベートへとステップアップできる授業を設けています。また、ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語、韓国語、スペイン語などの初修外国語の授業では、初めて習う言語そのものの学習だけでなく、その言語の発想法や背景における文化を理解することで、思考の幅広さを涵養することを目標にしています。

文系ディシプリン科目

(1)教養としての人文社会科学

すべての学生にとって、学びの基幹を大きく育て、アクティブ・ラーナーになるための骨太の基幹を作るためには、多様な文系的思考に触れ、幅広い学問的教養を身に着ける必要があります。とくに理系学生にとっては、文系のディシプリンを体験し、ものの見方や分析の手法が多様にあることを知ることで、自らの学びを相対化することにつなげることができるでしょう。

(2)専門基礎としての人文社会科学

文系の学生にとっては、専門基礎科目として、専攻教育につながる初歩的な専門知を獲得し、進級後のコースを決定するためのスタートアップになります。また、自らの専門的な学びの導入となる入門科目の受講に加えて、隣接する他分野の学問のディシプリンを体得することで、豊かな教養に裏付けられた深い専門性を育んでいくための基盤を修得できます。
現在、文系ディシプリン科目は以下の8つの系に分けて、それぞれの入門科目を設けています。同じ入門科目でも、教員の専門によって授業内容や評価方法が全く異なりますので、シラバスをよく読んで履修するようにしてください。

哲学系<哲学・思想入門、芸術学入門>、文学系<文学・言語学入門>、歴史系<先史学入門、歴史学入門>、社会系<社会学入門、地理学入門、文化人類学入門>、心理系<心理学入門>、教育系<現代教育学入門、教育基礎学入門>、法学系<法学入門、政治学入門、The Law and Politics of International Society>、経済系<経済学入門、経済史入門>

理系ディシプリン科目

理系ディシプリン科目では、興味と問題意識を持ち、自ら考えることで、知っているだけではない本当に使える知識あるいは知識を使える力を育てることを目標としています。教養・専門基礎・リメディアルの3つを意識した科目を設けています。

(1)教養としての自然科学(教養系)
数学、物理学、化学、生物学、地球科学、感性・デザイン学、情報科学

それぞれの科目が持つ学問領域の基礎的な素養を修得し、自らの生活や取り巻く環境との関わりを考えられるように授業内容を構成しています。理系専攻教育への積み上げのための基礎としてではなく、色々な自然科学科目を受講し、それらを自らつなげることで自然科学の素養を築いてもらうことを狙いとしています。

(2)専門基礎としての自然科学(専門基礎系)
数学、物理学、化学、生物学、地球科学、感性・デザイン学、情報科学、自然科学総合実験

理系分野の専攻教育に連続的につながるものとして、着実な積み上げにより系統的に学習できるように授業を構成しています。学際性を意識して自然科学の基礎を幅広く学習することで、専門分野をより深く考えたり高めたりすることも期待します。また、自然現象を研究し理解するためには、実験的手法は欠かせないものです。そこで、全理系学部・学科に共通した内容の自然科学総合実験を提供しています。そこでは、物理学・地球科学・化学・生物科学の各分野にわたり、それぞれのテーマに沿った観察・実験を行い、結果をレポートとしてまとめることを通して実験的手法を学びます。

(3)リメディアルからはじめる自然科学(リメディアル系)
物理学、生物学

物理、生物について高校で授業を受けなかったことや受験科目として選択していなかったことで生じる基礎的知識が不充分な部分や十分に整理されていない部分を補足して、専門分野へつなげられるようにするための科目を設けています。理系専攻教育へのスムーズな発展を狙いとしています。
理系ディシプリン科目の最低修得単位数、必修科目及び選択必修科目は、各学部・学科ごとに指定されていますので、履修要項の「理系ディシプリン科目の学部・学科別履修一覧」及び「各学部・学科の履修細目」をよく読んで履修してください。

サイバーセキュリティ科目

インターネットやICT技術の普及によって、サイバーセキュリティに対する重要性が日に日に高まっています。また、考慮すべき領域は、コンピュータをインターネットに接続している空間だけに留まらず、パソコンを持ち運んでいる時、あるいは銀行オンラインシステムを利用している時などを含めた、サイバー空間全体に広がっています。このような状況で我が国ではサイバーセキュリティ基本法が施行され、大学におけるセキュリティの教育に加え、国民個人のセキュリティへの対応能力の向上が求められています。本講義では、学年、理系・文系を問わず、今後ICT国際社会で生き抜くためのサイバーセキュリティ力を向上させることを目的として、セキュリティに関する基礎的な技術から法律、倫理まで幅広く学びます。

健康・スポーツ科目

健康・スポーツ科目では、心身ともに健やかな人材の育成を目的とします。そのために、主に身体運動やスボーツを媒介として、生活の基本となる健康・体力およびそれらを高めるための方法に関する正しい知識を獲得すること、ならびに様々な社会的要求に応えるために必要とされる心理社会的能力、いわゆるライフスキルを習得・向上させることを目標とします。各科目は、年次進行に伴って、これらの知識やスキルが段階的に向上していくように配置されています。これらの科目の履修により、自律的な健康行動に結びつくような運動スキルあるいはライフスキルの更なる向上を図ること、また、健康・運動・スボーツ科学にかかる理解を一層深めることができます。

総合科目

総合科目は、文系から理系、純粋から応用にわたる幅広いテーマと多種多様な授業形態(講義形式、演習形式、セミナー形式、集中講義形式、フィールド形式など)をもつ授業科目からなります。主体的に課題を発見し探求して新たな知を深化・創造していく場であり、そして異分野の人との交流による知の創造・進展の場です。九州大学の教員が自主的に開講する授業に加え、 QREC や各研究機関、他大学と連携して行われる授業もあります。授業を通じて得られる多様な知識の修得、知識に至る考え方の過程の経験や他者との交流から得られる創造的・批判的な思考の方法の涵養を目標としています。

高年次基幹教育科目

高年次基幹教育科目はすべての2年生以上を対象に各キャンパスで開講されます。それらは、専攻教育の学修による知識の深化を背景として生まれてくる、より多様で幅広い教養への興味、専門性の一歩先にある有用な知識やスキルに対するニーズを満たす科目からなります。専門性を契機として生まれるアクティブな学びの広がりと深まりを促すことを目標としています。