センターの概要

・科目の壁を越えて、科学の基礎的な観点や共通する方法論を基盤とした授業開発や教育改善を推し進める基幹教育院の組織文化を活かした、リベラルサイエンスの取組を行う。

・大学院生や新任教員を中心に、教育に関する職能開発のFDを行う。

・学長のリーダーシップや教学マネジメントを支える専門的人材養成プログラムの開発と研修を行う。

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「リベラルサイエンス教育開発」では、これまでに九州大学基幹教育院が基幹教育カリキュラムを開発・運営する中で蓄積してきた、さまざまな科目展開の実績を基盤として、それらを他大学に発信・普及させていくためのプログラム開発を行っています。なお、このモジュールの特色として、ここで行われる研修は大学関係者だけに限定するのではなく、高大接続の視点からも積極的に中等教育を担う教師にも開放し、中等教育から高等教育への円滑な接続を目指したコミュニティ形成をも視野に入れています。

このモジュールにおいては、旧来の科目の壁を越えて、科学の基礎的な観点や共通する方法論を基盤とした授業開発を行うために必要な、さまざまなものの見方、考え方や方法等を、広く共有するための研修を行うことを目的としています。具体的には、以下の4つの柱から構成されています。

1)初年次教育・キャリア教育開発プログラム:高校までの学びと大学での学びの違いを意識しながら、自らの大学での学びをまとめ発表する「基幹教育セミナー」の授業開発で得られた知見や方法論を基盤として、初年次生が直面する多様な課題を取り上げ、自身の学びの延長上にある社会とのかかわりを意識させた広義のキャリアを意識した教育プログラムの継続的開発とそこで得られた知見やアクティブラーニング手法など、各種の方法論を広く共有する研修会を提供します。

2)文理融合型科目開発プログラム:専門分野の異なる3名の教員が一つのクラスを担当し(マギストレス法)、各々異なった観点から一つの教室テーマに沿い、グループ学習を行う科目「課題協学」の授業開発で得られた知見や方法論を基盤とし、文理融合型科目の開発や共同学習の方法論等の開発を継続的に実施し、そこから得られた知見や方法論を広く共有する研修、公開授業を実施します。

3)総合的実験科目開発プログラム:物理・化学・生物・地球科学の各分野にわたる観察・実験を行い、結果をレポートにしてまとめることで実験の基本的手法を学ぶ科目である「自然科学総合実験」の授業開発・改善・実践で得られた経験を基盤とし、自然科学の観点や方法論等に低年次から親しみ、幅広い自然科学分野(STEM分野)への円滑な導入を可能とする実験授業開発を行い、そこで得られた知見や方法論を広く共有する研修を実施します。

4)リベラルアーツ型教育開発プログラム:既存の学部教育の枠組みを超えて、幅広い視野を有し、問題発見・課題設定とその解決能力に優れた「専門性の高いゼネラリスト」を養成することを目的とした「21世紀プログラム(共創学部)」での入試および授業開発を基盤として、知識を獲得するプロセスに積極的に学生が参加し、深い理解を得、その上で学際的テーマに挑戦していくためのカリキュラムや授業開発を行い、そこで得られた知見や方法論を広く共有する研修を実施します。

また、本モジュールでは、他大学等からの講師派遣、共同での科目開発、カリキュラム開発などの要請を、随時募集中です。

本モジュールが提供する研修プログラム群は、2つのグループから構成されます。第一は、大学教員としての基盤的な知識を獲得し、それを現場で活用できる資質・能力を養成するための研修プログラムです。授業スキルを中心にしたTeaching能力の育成が出発点ですが、学生のLearningについての深い理解が求められます。具体的には、近年の大学教育改革はいったい何を大学や大学教員に求めているのか、教育のプロフェッショナルとしての大学教員とはどういう存在なのか、学生の「学習」が単に単に知識を修得するだけのものではないとすれば、それはどのようなものなのか、コース(授業)をデザインするにはどのようにすれば良いのか、シラバス作成の方法、学修成果の評価(到達度評価)とそのフィードバック方法などのテーマを扱います。これらのプログラムは、九州大学大学院基幹教育科目としての「PFFP –Preparing Future Faculty Program-(大学教員養成プログラム)」をベースにアレンジし、それを他大学教員に開放する方向で現在試行しています。また、今後は研究倫理や特別な配慮を必要とする学生に対する教育の在り方についても、プログラムに組み込んでいくことを試行・検討しています。

第二は、学生の主体的な学びを促すために、今日の大学教育では必須とされているアクティブ・ラーニングの諸技法を学ぶ研修プログラムを提供します。アクティブ・ラーニングは、中教審答申『新たな未来を築くための大学教育の質的転換みに向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~』(平成24年8月)において推奨され普及するようになりました。また、アクティブ・ラーニングは単なる授業法テクニックではなく、学生の「学び」そのものについての考え方やその背景となる人間観・教育観にも深く関わるものでもあります。本拠点においては、そのような過程や考え方を踏まえつつ、アクティブ・ラーニング諸技法の習得によって実践的スキルの向上をめざします。具体的には、ミクロなレベルでは、学生個々の能動的学びを促すライティング指導の在り方から、マクロなレベルにおいては、アクティブ・ラーニングの組織的取組としてのPBL導入の手法等の多様な研修プログラムを、「九大拠点アクティブ・ラーニング教室」として展開します。

大学活動への説明責任を果たすことや教育研究活動の改革・改善に対する要請が高まる中で、これまでとは異なる役割を担う教職員が求められています。それは学長がリーダーシップを発揮するために必要な、大学諸活動の現状把握やそれに基づいた方針の策定を支援する人材であり、「社会的要請を踏まえた大学改革の推進力として,執行部を直接支えることが期待され」る人材とされています。

このような専門的人材はこれまでも、様々な部署で様々な名称の下、活動を続けてきていますが、そのニーズに対し、人材が不足しているのが現状です。

そこで、このモジュールでは、3つの専門的人材に焦点をあてた研修プログラムの開発と提供を行うことで、専門的人材の育成と職能開発を通じたコミュニティーの形成を目的とした活動を行うものです。具体的には以下に挙げる3つの人材養成プログラムから構成されています。

1)アドミッション・オフィサー養成プログラム
各大学に配置されている入試専門員(アドミッション・オフィサー)として、各大学においてアドミッション業務が円滑に遂行できるために必要な、1)入試政策動向の把握、2)高大連携活動の実施方法、3)教育評価・測定方法への理解、4)データハンドリング(演習)、について、それぞれの職能段階(初学者から実務経験者)に応じた研修プログラムを実施いたします。そうした研修を通じて、日本全体のアドミッション関係教職員のスキルアップと連携を図ることを目的とします。研修内容は、アドミッション・オフィサー養成プログラムの先行事例である、韓国の事例を参考に、また、アドミッション・オフィサーの歴史が長いアメリカでの養成講座の情報を参考に、日本型のプログラムを構築していきます。

研修対象としては、入試関連業務やアドミッション・センターに着任したばかりの新任教員を対象とした研修と、入試委員に対しての研修を中心に行います。また、同時に、高大接続に関心のある高校教員の方にも門戸を開いてプログラムを実施いたします。  同時に国内外の入試制度への理解を深めるために、大学入試センターや海外のアドミッション・オフィサーと連携した事例研修も行います。

2)カリキュラム・コーディネーター養成プログラム
我が国の大学教育改革の文脈において、「カリキュラム・コーディネーター」という独立した職が成立しているわけではありません。しかしながら、3つのポリシーの見直しが求められ、カリキュラム全体の中で学生の学修成果の可視化が必要となり、内部質保証のサイクルの中で、カリキュラム・マネジメントの重要性はいよいよ高まっています。カリキュラムの体系化は、程度や文脈の差こそあれ、殆どの大学で重要な改革課題となっているのです。

本プログラムにおいては、各大学においてカリキュラムの体系性の重要性を説明でき、1)カリキュラム設計や2)カリキュラムのリ・デザイン、3)カリキュラムの運営、4)カリキュラム評価を企画・実践できる能力、また、3つのポリシーの一貫性との関連については、ディプロマ・ポリシー、アドミッション・ポリシーとの繋がりを備えたカリキュラムの構築を推進できる能力を育成するための研修を提供します。さらに、共通科目の運営のような、現場に即した実践的な課題として、予算、人員、教員間の役割、成績評価基準といった科目マネジメントの問題が切実になってきていることから、それを組織的に支えていくための研修も計画しています。

3)インスティテューショナル・リサーチャー養成プログラム
インスティテューショナル・リサーチャーとは、大学諸活動の現状や課題・特徴を、様々なデータを活用し分析することで、有用な情報に変換し、そういった情報を必要とする部署に的確に届けることで、学内の意思決定を支援する業務を担う人材です。

このような活動を担う人材の育成プログラムを体系化し、提供することが、インスティテューショナル・リサーチャー養成の目的です。

当面は初級人材育成に関しプログラムの体系化を図りつつ研修を提供していきます。なお、この研修プログラムは、大学評価やIR人材の育成に長く取り組んできた「大学評価コンソーシアム」と連携し実施していきます。

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