センター長挨拶

大学教育開発の新しい波を起こす

九州大学基幹教育院は、生涯学び続ける学びの<幹>を持ったアクティブラーナーを育てるための独自カリキュラムを平成26年度から展開しています。他の大学にはない、基幹教育院の際立った特長は、所属全教員が基幹教育カリキュラム充実のための科目開発や授業法改善、カリキュラム改革を重要な責務としていることです。平成28年7月には、「次世代型大学教育開発拠点」として文部科学省教育関係共同利用拠点に認定され、基幹教育改革の成果や教職員能力開発の取り組みを学内のみならず広く全国にも発信していくこととなりました。その意味において、本拠点の今一つの大きな特徴は、他の多くの拠点のように、高等教育や大学教育開発の専門家が主導するのではなく、一般教員の日々の教育開発の成果を、高等教育の専門家のサポートや調整を受けつつ、全国に発信することを中心にしていることです。

学生の能動的な学びを促し、教育に携わる教職員の資質・能力を高めていく取り組みは、単なる教授法テクニックや能力開発メニューの提供とは異なります。ラーニングやティーチングの持つ本来的な深さやその基盤を形成する人間観、学習観、教育観に関わるという意味において、すべての取り組みが学術性(scholarship)とどこかでつながっており、であるからこそ、本センターが「大学」という場の中で活動の機会を与えられているのだと思います。

大学教育開発の世界も、文字通り日進月歩であり、新しい様々なアプローチや方法、ツールなどが提案されています。従来のような仮説検証型だけではなく、関係者の感性を大切にしながらユーザーのニーズを汲み取り、相互コミュニケーションの中でモデルを形成していく視点も重要です。そのことは、大学教職員能力開発において、大学コミュニティへの理解と関与が重視されてきたことともつながることでしょう。

本拠点は、上記のような視点を大切にしながら、広く大学関係者の皆様に、研修機会の提供や教材開発に努めてまいります。

アクティブラーナーの育成とは、予測困難な未来において、社会の諸課題や自己について創造的・批判的に吟味しつつ、他者との対話と省察を経て、自ら問題を発見していく人材を育成することに他なりません。このことは、本拠点の「方法的態度」そのものでもあります。皆さまとの「出会い」を心待ちにいたしております。

 次世代型大学教育開発センター長・川島啓二

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*文部科学省教育関係共同利用拠点については下記をご参照下さい。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/daigakukan/1375506.htm