九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター

科学技術社会論セミナーを開催しました

平成30年2月2日(金)イノベーション教育セミナー「研究活動における社会性と倫理を学ぶためのSTSステートメント」を開催しました。今回のセミナーでは、九州大学 科学技術イノベーション政策教育研究センターの小林俊哉先生をお招きし、大学院基幹教育科目「科学技術社会論概説」の実践内容、また、そこから期待される研究倫理感醸成について紹介して頂きました。質疑応答では、研究倫理醸成、誠実なアウトリーチ、科学技術コミュニケーションなどについて意見交換を行い、議論を深めました。

開催概要

開催案内(PDF) ポスター(PDF)

【日時】平成30年2月2日(金)16:30~18:00
【会場】
九州大学 伊都キャンパス センター2号館2302

【定員】 30名(先着順)
【参加費】 無料
【対象】 イノベーション教育や科学技術社会論にご関心のある大学教職員、学生

《講演タイトル》
研究活動における社会性と倫理を学ぶためのSTSステートメント
《講師》
小林 俊哉(九州大学 科学技術イノベーション政策教育研究センター 准教授)

※講演概要については開催案内(PDF)を下さい。

 

【共催】九州大学 科学技術イノベーション政策教育研究センター(CSTIPS)

開催報告

【参加者情報】
学外:0名(うち県外 0名)
学内:11名
合計:11名

【アンケート結果】

《満足度》
満足:4 概ね満足:0 どちらともいえない:1
やや不満足:0 不満足:0

《参考になった点》(抜粋)

  • 科学技術社会論概説の目標や実施内容。
  • 発表の聴衆に市民を用いる、というところが大変興味深かった。学内で実施する場合に、大学院生が学部生に向かって話す、と言うやり方が良いのではと思いついた。
  • STSステートメントを一般聴衆に聞いてもらい、質疑応答をする、ことが重要な意味を持つと感じた。
    ※事務局による補足:「STS」とは科学技術社会論(”Science, Technology and Society”または“Science and Technology Studies”)の略称です。
  • 自分の研究が社会にどのような影響を与えうるか、を考える機会というのは確かにほとんどないと思う。今回のセミナーでその影響について考え、伝える授業が存在するということを初めて知り、自分も参加してみようかなと考えるきっかけになった。
    【小林先生からのコメント】研究者としての説明責任(アカウンタビリティ)を果たすということと、専門外の第三者の意識を知ることは、将来独立した研究者になる可能性のある大学院生にとって重要と考えております。

《分からなかった点・もっと説明してほしかった点》(抜粋)

  • 「誠実なアウトリーチ」や「科学技術コミュニケーション」について、もう少し詳しく聞きたかった。
    【小林先生からの回答】科学技術社会論概説のより詳しい内容にご関心をいただきありがたいことです。一度実際の授業にご参観をいただければ幸いです。
  • 実際の授業風景の写真・映像があればより良かったと思う。
    【小林先生からの回答】一度ぜひ実際の授業にご参観だけでなく授業の際のディスカッションにもご参加をいただければ嬉しいです。
  • 科学者としての倫理と人間・社会人としての倫理の区別は出来ない。両者をどこかで整理して学生に伝える必要があるのでは。
    【小林先生からの回答】科学技術社会論概説では、非研究者が科学研究に向き合う際の倫理という観点も、研究者・技術者の倫理に加えて2コマ分の時間で取り上げています。こちらも一度ぜひ実際の授業にご参観をいただければ幸いです。
  • イノベーション教育セミナーとは、イノベーティブな教育法かイノベーションを起こす方法を教えてくれるものと誤解していた。まさか、イノベーションを起こす前提でそのあとの社会的影響を心配することを考えさせるのが主眼のセミナーとは。
    講演でおっしゃりたいこと自体は理解できるが、受講者から出た様々な質問に対してはぐらかさない回答をしてほしい。倫理的な善⇔悪だけで行動判断していいわけではなく、経済的な損⇔得、法律的な合法⇔違法、工学的な有効⇔無効、理学的な真⇔偽等、世の中には様々な行動基準を忖度して判断を下さなくてはならない。倫理的な1面だけ切り出してものごとを判断するのは危険で、そもそもそれができるなら鼻から、モラルジレンマは起こらない。
    「倫理学」ならわかるが、そもそも「倫理」そのものはあやふやで時代や国家に異存し、それは学問ではないので教育対象にすべきではないと思う。
    一例として、CITI では学生の発明は大学の知財と規定しているのに対し、九大の知財ポリシーでは発見した学生の知財所有を認めており、知財の所有権に関し、CITIと真逆の見解をHP上で公表している。そして、我々教員自体も九大教員でありながら、それに反するCITIの「研究倫理」という名のイデオロギー洗脳教育を受講し、それに合格しないと科研費の申請資格を得られないというある種政治的パワハラを受けている実態がある。
    ※事務局による補足:「CITI」とはCITI Japanのことを指します。
    【小林先生からの回答】ご指摘ありがとうございます。イノベーションを起こす前にイノベーションの結果が社会に及ぼす影響を考えておくことは重要だと考えます。私たちが好むと好まざるとに関わらず経済がグローバル化し、研究成果が社会実装された場合にその影響は拡大する傾向にあります。オゾン層に悪影響を及ぼさない代替フロンに多大な温室効果が発見され世界的に規制されたことや、バイオエタノールの開発が穀物価格を高騰させ発展途上国に社会不安を引き起こしたことは記憶に新しいところです。研究開発が大規模化しグローバル化がより拡大し、かつ政府研究開発投資の成果の社会実装が急かされる傾向が強まりゆく、これからの社会ではこうした問題は益々増えていくことでしょう。
    なお私が回答をはぐらかしたと指摘されていますが、何を根拠にはぐらかしているとされているのか、改めてお尋ねしたいところです。私の説明が不十分なために、そのような印象を持たれたのであれば、それは私の不備であると思います。機会をいただければ改めて詳細にお答えさせていただく所存です。
    またCITIと本学の知財ポリシーの齟齬については深刻な問題と私も思いますので、研究不正防止委員会、研究企画課への問題提起が必要であると思います。しかし齟齬が存在するからといって研究倫理についての啓発活動が不要でよいとは思えません。これらの点について継続した議論が必要と存じます。
    【事務局からの回答】セミナー内容に関するコメントを下さり、ありがとうございます。今後は、イノベーション教育の実践で用いられている手法について、イノベーション教育セミナーで取り上げていく予定です。もし興味をお持ちでしたら、そちらにもご参加頂けると幸いです。

お問い合わせ先

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