九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター

理系大学院・学部教育改革講演会を開催しました

平成30年3月9日(金)FD講演会「理系大学院・学部の教育改革を先進事例に学ぶ」を開催しました。

開催概要

開催案内(PDF) ポスター(PDF)

【日時】平成30年3月9日(金)14:00~16:00
【会場】JR博多シティ 会議室(9階会議室2)

【定員】50名(先着順)
【参加費】無料
【対象】理系教育プログラム、大学院、学部改革にご関心のある大学教職員、学生

【プログラム】
14:00~14:45 講演1
坂口 和靖(北海道大学・教授・前総合化学院長)
「北海道大学大学院総合化学院における教育:理・工の壁を超えた融合」

14:45~15:30 講演2
松尾 正之(新潟大学・教授・前理学部長)
「理学部1学科制への改革・新潟大学理学部における教育改革」

15:30~16:00 総合討論

開催報告

【参加者情報】
学外:15名(うち県外 9名)
学内:16名
合計:31名

【アンケート結果】

《満足度》
満足:5 概ね満足:4 どちらともいえない:1
やや不満足:1 不満足:0

《参考になった点》(抜粋)

  • 理工の融合と国際性の涵養の重要性。
  • 異分野を融合させた教育を行なうために必要な考え方を学ぶことができた。具体例が多かったことが参考になった。
  • 北海道大学大学院総合化学院における、理工連携、学外研究者との連携の在り方。
  • 北海道大学総合化学院の理工連携の取り組みは、今後の理系大学院(博士課程)の充実強化方策として大変参考になった。

《坂口和靖先生(北海道大学)への質問・コメント》(抜粋)

  • 従来の体制と比べた場合、総合化学院設立の最大のメリットについて教えて頂きたい。
    【坂口先生からの回答】メリットについては、大学院生がより広い視野や思考の方向性が身につくことではないかと思います。
  • 理・工融合しないとダメだと感じた例があれば、教えてほしい。
    【坂口先生からの回答】ほとんどの大学で別の組織として教育されていますので、理工融合がなければダメであることはないかと思います。理工融合により、大学院生がより広い視野や思考の方向性が身につくことは大きいかと思います。
  • 化学における理・工の違いは、そもそも何なのか。
    【坂口先生からの回答】近年、研究においてはいろいろな分野での垣根は無くなってきておりますので、オーバーラップする部分はますます大きくなっていると思います。ただ、理学的考え方、工学的考え方というものはあるのではないでしょうか。もちろん、化学工学など、理学系ではほぼ教育しない分野もあります。
  • 理と工の立場、それぞれの教員数は対等なのか。
    【坂口先生からの回答】規模としてほぼ同じです。詳しくは、ホームページを参照ください。
    ※参考:組織図・教員一覧|北海道大学 大学院総合化学院
  • 理・工の教員間に日常的な交流はあるのか。
    【坂口先生からの回答】各種委員会、多様な教育・研究イベント、海外活動などを含め、日常的に交流しています。
  • 理と工の連携ということだが、理の中でも物理や生物など化学との関連の深い部門がある。それらとの関係はどうなのか。
    【坂口先生からの回答】例えば、博士課程教育リーディングプログラムでは、総合化学院を主要部局として、生命科学院、理学院、工学院、環境科学院のほか電子研附属社会創造数学研究センターが連携してカリキュラムを運用しています。
  • 他の分野でも同様の分野融合専攻をつくったのか。(化学のみが先行したのか。)
    【坂口先生からの回答】北海道大学では、いくつかの部局が融合した教育大学院組織として、生命科学院があります。
  • 海外への訪問時に学生の経済的負担は大きいのではないか。
    【坂口先生からの回答】大学院生の海外への派遣については、概ね渡航費、滞在費を支援しています。
    ※事務局による補足:北海道大学 総合化学院では、海外の大学での講義や海外からの研究者招聘を積極的に行い、講義の国際化が図られています。また、そこでは単位の認定も行われます。
  • 海外との交渉(Double Degreeなど)の専門家・専門職員はいるのか。もしくは必要か。
    【坂口先生からの回答】北海道大学では、海外との交渉を支援する国際部があります。海外の大学とのプロジェクトの立上げにおいては、個々の研究者同士に寄るところが大きいと思いますが、正式な協定書の作成には両大学の国際部の手助けが重要です。
  • 博士学生の充足率が非常に高く、驚いた。近年では、将来への不安からか、博士を目指す学生が減っているように思う。総合化学院で博士を目指す学生のモチベーションを高めるような教育・施策などがあれば、教えて頂きたい。
    【坂口先生からの回答】キャリアパスを明確に示すことは重要ではないでしょうか。博士課程進学による学位取得は、アカデミアばかりでなく、企業でも強く望まれていることを伝えています。
  • 英語での教育は必要性が高いものの、内容理解が難しくなるという課題がある。これについて解決策の案などがあれば、教えて頂きたい。
    【坂口先生からの回答】受講側、教育側の双方の英語コミニュケーション力の向上は必要ではないでしょうか。最近の学生の英語コミニュケーション力は、私が学生の時と比べると格段に高いと思います。個人的には、受講生における留学生の割合によりますが、適宜英語と日本語での説明を交えます。

《松尾正之先生(新潟大学)への質問・コメント》(抜粋)

【松尾先生からのコメント】新潟大学理学部のHPに改組後の新教育プログラムの概要を説明していますので、ぜひご参照ください。

  • 複数学部の改組を一度に行った際、全体のコーディネートや互いの情報共有・調整といったことは大学の本部が行ったのか。
    【松尾先生からの回答】自然系の3学部(理学部・工学部・農学部)は、大学院自然科学研究科の運営や共通の教員組織(自然科学系)の運営などに関して一緒に検討する機会が多く、今回の改組でも意見交換は頻繁に行われました。
  • 今回の教育改革に取り組むことに対するインセンティブやモチベーションアップとなるものはあるのか。
    【松尾先生からの回答】特段のインセンティブはありませんが、新たなプログラムの新設を含む大きな教育改革を進めるということで、それに必要な経費は積極的に(大学側に)要求しています。
  • 今回の改組によって、講義内容・やり方の変化はあったのか。
    【松尾先生からの回答】1年生の実験・実習、アクティブラーニングなど共通ベーシック科目を中心に授業内容の変更が多数あります。
  • アクティブラーニング型授業を実施するにあたり、教員を対象とした研修などは行われたのか。
    【松尾先生からの回答】改組前に新教育についての担当者打ち合わせを行いましたが、アクティブラーニングの手法などに特化した学部研修などは実施しませんでした。授業担当者間での個別の打ち合わせ等はあったと思います。改組1年後にはアクティブラーニングに関する学部FDを行い、課題の共有や改善策についての討議など行っています。
  • 専攻プログラムについて、均等に配置されない場合は、どのような調整がされるのか。
    【松尾先生からの回答】上限目安が旧学科定員の20%増ですので、その範囲の偏りについては調整はしません。それ以上に希望者多数の場合はGPAで判断することとしていますが、調整するケースが少なくなるよう設計しています。
  • 配属が希望通りにならなかった学生のモチベーションは大丈夫なのか。
    【松尾先生からの回答】モチベーションの問題は考慮しており、希望を最大限満たせるように制度設計に工夫しています。改組1期生のアンケート結果をみると、おおよそ希望通りになるのではないかと予測しています。
  • 総合力プログラムでは関連分野の融合とそれにあった学生の育成を目指しておられるが、どのようにマネジメントされるのか。
    【松尾先生からの回答】学生が学修計画を考えやすいよういくつかの履修モデルを作成しています。また、クラスアドバイザーのほかにプログラムアドバイザーを配置して、履修相談への対応体制を用意しています。
  • 例えば、物理総合力プログラムの学生が数学専門科目を取る場合、その科目は数学プログラムの学生向けの内容のものになるのか。
    【松尾先生からの回答】共通ベーシック科目、共通コア科目については他プログラムの学生が履修することを意識しますが、より上級の専門科目については数学プログラム学生向けと基本は同じです。
  • 自然環境科学プログラムには総合力プログラムが設定されていないようだが、なぜなのか。
    【松尾先生からの回答】自然環境科学プログラムに密接な関係がある学部横断「フィールド科学人材育成プログラム」が総合力プログラムの性格をもっているため、設定していません。
  • フロンティア・スタディ・プロジェクトは大学院生(特に博士)への意識付けとしてもとても素晴らしいプロジェクトだと感じた。現時点で、どの程度の割合の学生が博士を目指すようになったかを教えてほしい。
    【松尾先生からの回答】改組後の教育を受けている学生はまだ1年生ですので、博士課程の希望者がどの程度増えているかはなんともいえません。
  • フロンティア・スタディ・プロジェクトにおいて、入学時に決めたプログラム(専門分野)は変更可能か。
    【松尾先生からの回答】変更は可能としています。ただし、その場合はプログラム選択の優先はなくなります。
  • 企業・社会から望まれるスキルに重きを置くことは重要だと思うが、理学の幹を育むような取り組みにはどんなものがあるのか。
    【松尾先生からの回答】理学の幹を育むものとしてフロンティア・スタディ・プロジェクトを導入しました。
  • 新たな学科体制では、社会や企業、資格関係との対応はうまく機能しているのか。
    【松尾先生からの回答】理学部の資格としては、教職免許が重要ですが、これは従来と大きな違いはありません。社会や企業との関係にも大きな影響はないはずで、これらの関係は一層強化していきたいと考えています。
  • 「フィールドワーク」の選考に外国語がないのはなぜなのか。
    【松尾先生からの回答】「選抜方法C」はフィールド分野への意欲・適性を評価することを特色とし、そのために面接を導入しています。その特色をより明確にし、他の選抜方法との違いを出すために個別試験では英語を外しています。英語が不要というわけでなく、その代わりセンター試験の英語の配点を少し上げています。
    ※事務局による補足:新潟大学理学部の専攻プログラムや入試科目については新潟大学理学部学生選抜要項・募集要項をご覧ください。
  • 入試倍率の低下に対して、入学定員を減らす策を取らなかったのはなぜか。
    【松尾先生からの回答】理学教育に対する社会・学生の期待は、多大ではなくとも確実に存在しているというのが私たちの見解で、実際に定員を10名増やしました。
  • 1学科制にして、入学者の構成(出身地など)には変化があったか。
    【松尾先生からの回答】大きな変化はなさそうというのが印象です。
  • 1学科制というのは、基本的に「大くくり入試」と考えて良いのか。
    【松尾先生からの回答】1学科制だから大括り入試とは限らず、他大学・他学部をみても様々なバリエーションがあるようです。中括り的なものも多いようです。新潟大理学部の3選抜方法も単純な大括りではありません。
  • 入試に3つのバリエーションを許したが、この選抜方法の選択とプログラム配属について拘束はあるのか。
    【松尾先生からの回答】入試の選抜方法とプログラム配属の間に制限や拘束はつけていません。
  • 創生学部にはどのような学生が入学したのか。
    【松尾先生からの回答】お伝えできるだけの情報をもっておりませんので、控えさせていただきたいと思います。創生学部の概要については創生学部HPをご参照ください。

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