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大学院基幹教育科目(2016)

基幹教育院教授 原田 恒司

 平成28年度より「基幹科目」が本格開講することとなり、大学院基幹教育科目はやっと出揃ったところです。学部の基幹教育と比較するとまだ認知度も低く、学生の履修登録状況は必ずしも好調というわけではありませんが、素晴しい授業担当者に恵まれましたので、学内に広く認知してもらい、多くの大学院生に興味を持ってもらいたいと思っています。
 アクティブラーナーの育成を旗印に九州大学は平成26年度より基幹教育をスタートさせました。基幹教育は学び方を学ぶことによって、学びの「幹」を育てていくことを目標としています。初年次の基幹教育によって作られた「基」をしっかりとした「幹」に育てていくため、高年次基幹教育、そして大学院基幹教育へと、一貫した取り組みが必要になります。
 大学院基幹教育は「基幹科目」と「展開科目」から成っています。「展開科目」はセンターや学府によって提供された科目群です。一方、「基幹科目」は、大学院基幹教育の基礎となるような科目群です。
 大学院ではもちろん、それぞれの研究室での専門教育・研究が中心になります。大学院基幹教育は、研究室での専門教育・研究とは相補的な汎用的知識・技術の習得を目指しています。我々はそれを「ハイエンド・リテラシー」と呼んでいます。リテラシーというのはふつう読み書き算盤のような、文化記号体系を理解し利用するための基礎的な能力を指しますが、「ハイエンド・リテラシー」はその最も高度なレベルでの教育を想定しています。大学院生がそれぞれの研究室で学ぶ専門性を将来どのように活かしていったらいいのか。そのヒントになる科目を揃えています。
 問題解決型授業など、将来の専門知識を活かしていく場面を想定した科目の他にも、論文の書き方など研究室での活動にすぐに役立つ科目もあります。大学院基幹教育で「プラスα」の力を養い、自分の可能性を拡げてほしいと思っています。

出典:『基幹教育院ニューズレター』第5号(2016夏)
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