フォーラム

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授業のねらい(2015)

基幹教育院教授 新谷恭明

 文系ディシプリン科目では文系各領域のディシプリンがどういうものであるかを学んでもらいます。現在開講されているのは哲学・思想入門、社会思想史、先史学入門、歴史学入門、文学・言語学入門、芸術学入門、文化人類学入門、地理学入門、社会学入門、心理学入門、教育学入門、日本教育史、法学入門、政治学入門、経済学入門、経済史入門、The Law and Politics of international Societyの17科目です。The Law and Politics of international Societyは英語による講義になっています。
 また、人文科学研究院がEEP「文系ディシプリン科目教科書・副教材の開発」の作業を進めており、まずは「文系ディシプリン科目授業パンフレット」の試作が進んでいます。これが軌道に乗れば文系ディシプリン科目の内容も充実してくると思います。
 文系のディシプリンは知識の量ではなくその技法と思考法にあります。ところが、文系の学問には高校時代には暗記科目だった傾向のものがあるわけで、歴史などはその代表かもしれません。私の担当する「日本教育史」も歴史科目でありますが、歴史的な問題意識を持つ、史料を通してものを考える、といった思考様式を獲得してもらうようにと工夫をしています。そして、調べること、読むこと、書くことといった訓練もさせたいと考えています。
 しかし、学生諸君にはいわゆる調べ学習の習慣が身に染みついていて、情報リテラシーをはじめとして、学び方の基本をきっちり指導していかなくてはならないと痛感しています。
 ディシプリンdisciplineの語源はラテン語のdisciplinaで、その意味は「弟子を教えること」のようです。文系ディシプリン科目を通じて、若き弟子たちに大学での研究に軸足を置いた〈知〉の伝授をしていきたいと考えています。

出典:『基幹教育院ニューズレター』第2号(2015冬)

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