フォーラム

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基幹教育セミナー科目実施班から(2014)

基幹教育院教授 野瀬 健
 
 本年4月より、新しい科目として基幹教育セミナー(以下セミナーと略)が開始されました。
 セミナーは必修科目で、九州大学に入学した1年生全員が履修しており、様々な学部学科の学生が22名~23名のクラスに混在したかたちで授業を受けています。実施班では、これら全体で120クラスの運営を担当しております。ところで、セミナーを始める前は全ての新入生を対象とする科目であることから、学生はやる気をもって授業に参加してくれるのだろうか?という心配をしていました。しかしながら、思った以上に学生の反応は良く、機会のある度に丁寧にセミナーの意義を説明することで、新入生の多くが興味をもって授業に臨んでくれているように感じています。ところで、セミナーでは「対話と自己省察を通じて学びの基幹を育むこと」を目的としています。実は、これは学生向けの目標なのですが、この目的を達成する(してもらう)ためには、担当教員にも対話のスキルや自己省察が必要になるようです。すなわち、授業において教員と学生、そして学生同士の対話をスムーズに行う(ってもらう)ためのファシリテーション、学生に向かって語る前の自己省察が必要になるということです。さらに、教員自らが相手の話をよく聞き(傾聴し)、適切な語句を使って相手に伝わりやすい話し方をすることに気を遣いつつ、学生同士の会話がきちんと成立しているかどうかに耳を立てる、など集中力・緊張感も求められています。学生に向かって話す「私にとっての学び」の準備では、「あの時(時代)どんなことを考えていたのかな」「どうしてあんな判断をしたのかな」などと、自分と語り合う時間も必要だと気がつきました。こんな訳で、最近、セミナーを担当することで教員(私)自身が鍛えられているような気がしてきました。ともあれ、まだまだセミナーは半分を過ぎたところで、これから先どんな展開が待っているのか?正直ドキドキしています。このニュースレターが皆さんに届く頃には結果が分かっているのでしょうね。それでは、最後になりますが、セミナーを担当して頂いている皆様のご協力に深く御礼申し上げます。

出典:『基幹教育院ニューズレター』第1号(2014夏)

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