Overleafで科研費LaTeX
OverleafというフリーのクラウドLaTeXシステムがかなり便利です。ネットにさえつながれば、そしてブラウザさえ使えれば、いつでもどこでも書きかけ原稿の最新版にアクセスし、執筆が続けられます。私は最近、論文執筆も科研費応募も、Overleafでやることが増えました。ただ、Overleafを使って科研費LaTeXを書くにはちょっとコツが必要だったので、備忘録を兼ねてここにまとめておきます。以下、完全に保証外・補償外です。自己責任でどうぞ。
Overleafで科研費LaTeXを使うための準備
- 持っていない人は、まずOverleafでアカウントを作りましょう。
下記リンク先よりアカウントを作っていただけると、岡本のフリースペースが増えます(ぜひ)。
https://www.overleaf.com/signup?ref=5ab1b35160ad - 下記をブックマークしておきましょう。
https://www.overleaf.com/dash - Overleafで「NEW PROJECT」をクリックして新しいプロジェクトを作りましょう。
- Overleafで日本語を使用する方法に従い、main.texのみの状態で設定を変更し、latexmkrcを作成しておきましょう。「pLaTeX + dvipdfmx」を使用する場合の内容を記載してください。
- ついでにタイトル(プロジェクト名)も変更しておきましょう。ここではKakenhiとします。区別しやすく短い名称が良いです。短いと、複数の文書を別々のタブで開いて並行執筆する際に、ブラウザ上部のタブからプロジェクト名を確認できます。
-
科研費LaTeXのウェブサイトから様式をダウンロードしましょう。
- utf版がいいみたいです。
- Overleafフリー版にはファイル制限(60 files/project)があるので、single推奨。
- ローカルPCの適当なフォルダに解凍しておきましょう(ここではlocalの中に解凍することとします)。
- Overleafのクラウド上の、各プロジェクトのルートフォルダはfilesです。
-
Overleafの当該プロジェクトに必要なファイル一式をアップロードしましょう。
- Overleafフリー版にはファイル制限(60 files/project)があるので、不要なものはアップしないのが基本です(下記の通りやれば大丈夫です)。
- local直下のすべてのファイル(*.tex, *.sty)を、files直下にアップロードしましょう。filesアイコン横の▼をクリックし、Upload from Computerからファイルをアップロードできます。
- filesの中にfigsフォルダを作り、localの同名フォルダから中身をとりあずすべてアップロードしましょう(実際の執筆が始り、不要になったら消しましょう)。
- filesの中にformsフォルダを作り、localの同名フォルダから中身をすべてアップロードしましょう。
- filesの中にfoo_forms_pdfフォルダ(fooは研究種目によって変わります)を作り、localの同名フォルダから中身(*.pdf)をアップロードしましょう。
- 執筆しましょう。科研費LaTeXでは、12ptで執筆することをおすすめします(同じ11ptでもLaTeXの方がWordより小さいので)。
- もし、Previewが表示されない事態になったら、ブラウザのキャッシュを削除してみると復活する事があります。
- 完成したら、原稿のPDFファイルと、ソースファイル一式をローカルにダウンロードして、応募に備えましょう。PDFファイルは上メニューのPDFをクリック。ソースファイル一式は左のフォルダ表示(隠れている場合は、上メニューのPROJECTをクリック)から、DOWNLOAD AS ZIPをクリック。
パッケージの追加とか自作のマクロとかコツとか
プリアンブルに追加
%パッケージの追加
\usepackage[ipaex]{pxchfon} %日本語の表示に必要
\usepackage{url} %URLの記述に便利
%自作マクロ
\newcommand{\subhead}[1]{\noindent \textbf{\large #1}}
\newcommand{\subheadn}[2]{\noindent \textbf{\large \textcircled{\small #1} #2}}
\newcommand{\subsubhead}[1]{\noindent \textbf{\normalsize #1}}
\newcommand{\subsubheadn}[2]{\noindent \textbf{\normalsize \textcircled{\small #1} #2}}
\newcommand{\figref}[1]{図~\ref{#1}}
\newcommand{\PI}[1]{\underline{\underline{#1}}}
\newcommand{\etal}[2]{\textit{et al.}(以下#1名, #2番目)}
\newcommand{\他}[2]{他(以下#1名, #2番目)}
%設定変更
\renewcommand{\refname}{}
\makeatletter
\renewenvironment{thebibliography}[1]
{\section*{\refname\@mkboth{\refname}{\refname}}%
\list{\@biblabel{\@arabic\c@enumiv}}%
{\settowidth\labelwidth{\@biblabel{#1}}%
\leftmargin\labelwidth
\advance\leftmargin\labelsep
\setlength\itemsep{-5pt} %←ここの数値を調整(行間のつまり具合)
\setlength\baselineskip{11pt} %←ここの数値を調整(追加)(文字の大きさ)
\@openbib@code
\usecounter{enumiv}%
\let\p@enumiv\@empty
\renewcommand\theenumiv{\@arabic\c@enumiv}}%
\sloppy
\clubpenalty4000
\@clubpenalty\clubpenalty
\widowpenalty4000%
\sfcode`\.\@m}
{\def\@noitemerr
{\@latex@warning{Empty `thebibliography' environment}}%
\endlist}
\makeatother
\begin{document}の後に追加
\setulminsep{0pt}{2pt} %ul{}で、文字と下線の間が空きすぎるのを調整。
\setulsep{0pt} %ul{}で、文字と下線の間が空きすぎるのを調整。
主な業績(5件)を書かされる場合
\begin{enumerate}
\setlength{\leftskip}{-1zh}
\setlength{\itemsep}{0zh}
\setlength{\parskip}{0zh}
\item \label{pub:oka} \PI{T.~Okamoto}, \etal{2}{1}:
Watashi ga kaki mashita. Watashi Journal, in press.
\end{enumerate}
図の張り込み
\begin{wrapfigure}{r}{7cm} %適宜調整
\vspace{-4.5zh} %適宜調整
\begin{center}
%図はfigsフォルダに入れましょう。
%Illustratorで作ってpdfで書き出すとキレイで容量も小さいです。
\includegraphics[width=6.5cm]{figs/sugee.pdf}
\caption{スゴイ結果}
\label{fig:expectation}
\end{center}
\vspace{-2zh} %適宜調整
\end{wrapfigure}
公開日: 2016年11月03日
最終更新日: 2019年12月18日