基幹教育院について

About Faculty of Arts and Science,Kyushu University

教員紹介

田中 真理教授 Mari Tanaka

専門分野
発達障害学
 2014年に着任しました。九州大学大学院教育学研究科を修了後、静岡大学大学院人文社会科学研究科、東北大学大学院教育学研究科を経て現在に至っています。約20年ぶりの福岡、九州大学。「今度、天神に三越がくるらしい」という噂をちらほら耳にするくらいの頃に福岡を離れた記憶が残っています。PARCOなどもありませんでした。着任後数年間は、“知っているはずなのに知らないところ”、“懐かしいはずなのに新しいところ”という、妙な感じの体験でした。また、前任校の東北大学は、九州大学と同じ研究中心総合大学ですが、多様な点での違いやそれぞれの大学の個性がみえてきて、非常に関心深い体験もさせていただいています。 
 研究は、発達障害、自己理解、自閉症アイデンティティ、原因帰属、他者理解、ユーモア体験、欺き、ナラティブ、共感性、社会的失言、語用論的理解等々のキーワードのもと、学生達とともに、臨床実践をベースにすすめています。
 基幹教育では、基幹教育セミナーや課題協学に加え、フロンティア科目として、バリアフリー支援入門、ユニバーサルデザイン研究、アクセシビリティ入門、アクセシビリティ支援入門、アクセシビリティ基礎の授業を担当しています。これらの科目はいずれも障害の有無だけでなく多様な人々に拓かれたアクセシビリティの向上についての基本的な概念や、様々な専門分野で扱われているユニバーサルデザイン等の内容を扱っています。
 全学の支援業務としては、障害者支援を担うインクルージョン支援推進室での業務を担当しています。東北で東日本大震災を体験し、多くの障害のある仲間や子どもたちを亡くしてしまったことへの猛省が、現在の支援のための「システム作り」の仕事へ向かう原点です。九大へ着任した年は、日本が障害者権利条約の批准書を国連へ寄託した記念すべき年でした。「支援」という枠のみではなく、インクルーシブ教育を支える未来志向のキャンパスを目ざすために、大学で生じている社会的障壁の問題に関連する個々の多様なニーズ・潜在的なニーズに対してきめ細かに対応し、専門領域を超えた社会的意義のある共創を積み重ね、ソーシャルイノベーションにつなげていきたいと思っています。

写真はアクセシビリティ向上の活動をしているピア・サポーター学生(背景は図書館前通路に展示されているバリアフリーアート作品)
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