基幹教育院について

About Faculty of Arts and Science,Kyushu University

教員紹介

山田 琢磨教授 Takuma Yamada

専門分野
プラズマ物理学
基幹教育院物理専門チームの山田琢磨です。大きな湖のそばにある街の出身です。九州大学には院生、ポスドクの頃からお世話になっております。

  化石燃料や天然ウランといった埋蔵資源はあと100年でなくなると言われています。例によって可採年数はまた増えるかもしれませんが、それでも我々から数世代後の人類は、確実に埋蔵資源なしで生活しなければいけないことになります。その時、現在と同じ水準の文明レベルを保てるでしょうか?太陽光をはじめとした再生可能エネルギーの発展は目覚ましいものがありますが、今と同じ程度の安定した安価な電力を供給できる確証はありません。そこで、核融合発電の実現に向けた研究は人類の未来のために非常に重要になります。核融合発電は水素原子の同位体である重水素や三重水素を用いますが、核物質による危険性は原子力発電に比べてはるかに小さいです。重水素は天然に0.015%しか存在しませんが、海の水を考えればその量は膨大で、資源の枯渇の心配がなんと1億年はありません。そんな核融合発電は、水素をプラズマ状態にして磁場で閉じ込め、高温高密度にすれば簡単に実現するかに思われましたが、プラズマ内に発生する”乱流”によってなかなか閉じこまらず、いまだに実現には至っていません。ただ、コストを度外視すれば実現したといえる、という段階までは来ています。私の専門はプラズマ乱流についての研究で、九州大学内で核融合実験は行っていませんが、その支えとなる基礎研究を小さな実験装置を使用して行っています。

  話は変わりますが、自宅と職場のすぐ近くを福岡マラソンのコースが通るため、面白そうだなと思って安易な気持ちで福岡マラソン2017に応募したところ、当選してしまいました。夏場は暑くて走る気になれず、9月に入ってから慌てて練習を始めましたが、自分なりにいろいろと研究したり道具を揃えたりして、どうにかこうにか大体予想のタイムでゴールすることが出来ました。ちなみに完走率は97%なので、あまり自慢することでもありません。ただ、ろくに練習もせず前日まで足が痛いだの騒いでいた研究室の学生にあっさりタイムで負けてしまったことが非常に悔しいので、目標を新たに別府大分マラソン完走(参加資格も制限時間も3時間半以内)に設定し直し、静かに練習再開中です。いま超えようとしている相手はその学生ではなく、山中伸弥教授(別府大分で3時間25分)です!写真は、伊都キャンパスの折り返し地点(20km)でその学生に撮ってもらったものです。この頃までは、右に写る学生も含めて3人で仲良く走っていましたが、この後ほどなくして見捨てられました。

  これからも基幹教育、乱流研究にマラソンと精力的に活動したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 
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