基幹教育院について

About Faculty of Arts and Science,Kyushu University

教員紹介

S.Chowdhury Vishwajit准教授 Vishwajit S.Chowdhury

専門分野
動物栄養生理学
自己紹介:探求の旅、そして生命への眼差し

インドに生を享けバングラデシュで育ち、現在は日本国籍を有する私ですが、国境を越えた「地球市民(Global Citizen)」としての自己認識に最も深い安らぎを覚えます。幼少期からの自然への畏敬の念は野鳥観察や絵画(添付の近作をご覧ください:サムネイル画像左)、詩作へと昇華され、高校時代より続くヨガと瞑想は私の精神的支柱です。静寂を求める実践を共に志す方がいれば、喜んで交流したく存じます。

学究の道は平坦ではありませんでした。初等教育では学びに無関心でしたが、中学時代の挫折が知的好奇心に火を点け、真理探究への扉を開きました。大学時代には非英語圏出身者としての独自の学習法を確立し、この手法は現在、私のアカデミック英語講座において後進の指導に大きく役立っております。

約28年前、日本大使館の推薦を得て来日しました。専門研究に先立ち広島大学で日本語を学ぶ機会を頂いたことに、今も深く感謝しています。習得は容易ではありませんでしたが、不完全ながらも言葉を交わす喜びは大きく、家庭では息子が私の日本語を正してくれる時間が日々の幸せです。日本の精神文化と食の奥深さは、私の心に深く刻まれております。

研究者としては、組織生理学とストレス応答の解明に注力してまいりました。博士課程では絶食ストレスが脳の下垂体若返りを促す機序を解明し、スイス・コラファス財団賞(2003年)および広島大学学長表彰(2004年)を賜りました。その後、数大学での教職を経て、2010年より九州大学に籍を置いております。

九州大学では、気候変動に直面する家禽産業の革新を目指し、鶏の暑熱ストレス緩和研究に着手しました。特定の3種のアミノ酸と神経ペプチドの有効性を特定し、この功績により日本家禽学会(2017年)および日本畜産学会(2022年)より学会賞を授与されたことは、身に余る光栄です。

2024年からは知見を社会還元すべく、福岡県の養鶏場と連携し実証実験を開始しました。猛暑下の鶏の生存率向上等の成果が得られており、将来的にはこの知見を世界へ広め、人間を含む多くの生物種を熱ストレスの脅威から守ることが、私の究極の目標です。

昨年、新たな光学顕微鏡(サムネイル画像右)を導入しました。学生と共に細胞の微細構造に対峙する時間は、15年ぶりに組織生理学の原点へ回帰する至福の時です。ミクロの細胞からマクロの地球環境まで、生命の謎を探求する旅はこれからも続いてまいります。

 
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