教員紹介
脇浜 幸則助教
Wakihama Yukinori
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専門分野
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臨床心理学・発達障害学
ユーモアとツッコミから見る「多様な他者に開かれた“おもしろい”コミュニケーション」
2024年に基幹教育院に着任しました。九州大学の基幹教育を受けて育った私(1期生!)が,今度は基幹教育の担い手として携われること,とても嬉しく思っています。当時を振り返ると,特に“基幹教育セミナー”は,学部・年齢・背景・価値観など,多様な人たちと出会い,対話する貴重な場であったことを思い出します。基幹教育は,私の知的好奇心を刺激し,大学での学び方を学ぶ基盤となったと感じます。
大学には多様な人材がいますが,その中には“障害がある人”も含まれます。私は現在,自閉スペクトラム症(ASD)者のユーモアとツッコミに関する研究をしています。従来,ASD者は「ユーモアがわからない」「冗談が通じない」と言われてきました。私は,これまでのASD者との関わりの中で,「どういうこと?」と思わずツッコミたくなるような,独自のおもしろい発想に何度も出会いました。そこから,「ツッコミは,ASD者とのコミュニケーションにおいてどのような役割を果たすのだろうか」という問いが生まれました。
ツッコミは,どこがおもしろいかを明示し,その場に笑いをもたらす機能を有しています。しかし,研究を進める中で,ツッコミは,ASD者のユーモア理解を促すものの,ユーモア体験を強めるものではないことも見えてきました。つまり,ツッコミによって「どこがおもしろいのか」は理解しても,それが必ずしもおもしろさを強めはしない,という結果です。また,ASD者にどこがおもしろいと思ったかを尋ねると,非常にユニークな回答が返ってきました。これらの結果は,ASD者は「ユーモアがわからない」のではなく,「独自の視点からおもしろいと思いやすい」ことを示しています。
語弊があるかもしれませんが,私にとって,ユニークな視点と出会うASD者とのコミュニケーションは,「おもしろい」と感じることが多々あります。それは,自身が無意識に「当たり前」と感じていたことを問い直すきっかけにもなっています。今後は,多様な人材が共に学び合う環境を作るために,何が必要なのか,またそのために「ユーモア」がどのように寄与しうるのか,社会モデルの観点に根差した研究を続けたいと思っています。
基幹教育は,「考え方・価値観」の異なる他者と対話する場です。自身と異なる視点との出会いは,自らの当たり前を問い直し,それまで見えていなかった世界のおもしろさに気づかせてくれます。基幹教育で育った私がそうであったように,九州大学で学ぶ学生にとっても,多様な「他者に開かれた“おもしろい”コミュニケーション」を通じて,学び続けることを幹に持つアクティブラーナーになっていただきたいと考えています。また,私自身,すべての学生が自らの持てる力を発揮しつつ,障壁なく大学での学びが保障されるよう,教育・研究・学生支援に取り組んでいきます。


九州大学アクセシビリティ・ピアサポーターについて(公表事項)
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