基幹教育院について

About Faculty of Arts and Science,Kyushu University

教員紹介

岡本 剛准教授 Tsuyoshi Okamoto

専門分野
システム神経科学・生体医工学
 前ニューズレター編集長です。発行にご協力くださった皆様、その節はありがとうございました。現編集長に引き継ぐ際、「過去に編集委員を務めた人は断りにくい」という原稿依頼のコツを伝えてしまったばかりに、今回自分がこれを書くことになってしまいました。
 閑話休題。私の専門はいわゆる「脳科学」です。もう少しアカデミックにキチンと言いますと、システム神経科学と生体医工学が私の専門となります。前者は、神経回路や神経システムのレベルで、特定の脳機能に関するメカニズムの解明を目指すことを目的としています。ポスドクまでは主に一次視覚野の機能構築に関する計算論的な仕事をしていました。2006年2月に九大に来てからは興味がどんどん膨らんでいき、今はヒト嗅覚の実験的研究に力を入れています。また現在、「頭を良くする方法、悪くする方法」という研究プロジェクトを展開しており、神経科学、心理学、情報工学を融合して脳機能を向上させるための手法を模索しています。後者の生体医工学は、工学的手法を医学に応用し、生命現象の解明や新しい診断・治療方法の開発に活かすことを目的としています。こちらは、医学部の先生方との共同研究として展開しています。
 私の「大学に居る意味」は、「学生さん達と一緒に研究がしたいから」に尽きます。研究の醍醐味は「知的好奇心が世界初として認められる過程全て」にあると思っていて、それらを学生さん達と共有したいし、させたいのです。非線形素子である神経細胞と同様に、私達の研究活動においても非線形な(1+1>2となるような)イノベーションを目指しています。基幹教育で行っているアクティブ・ラーニング型授業も基本的には同じです。課題協学科目、基幹教育セミナー、高年次基幹教育科目、大学院基幹教育科目のそれぞれで、「学生さん達に何が残せるか」を常に考えながら、研究室での「ワイガヤ」の雰囲気を醸しながら、授業を行っています。

出典:『基幹教育院ニューズレター』第6号(2017冬)
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