About the faculty
科学技術が急速に進歩しグローバル化が進展する現代では、一人ひとりが変化や多様性と“しなやか”に付き合い、柔軟に適応していくことが求められます。このことを可能にするのは、私たちの生涯にわたる自律的な成長を支える<学びの基幹>です。すなわち、社会の諸課題や自己について多様な観点からの知識・情報を受けとめて批判的に考察しつつ、自ら問題を発見し、絶えず主体的に学び続ける態度です。本授業は、異なる専門分野を目指す学生および教員との対話や、それを踏まえた自己省察を通じて、一人ひとりが<学びの基幹>を育むことを目的としています。
学修目標として、①一人ひとりが自らの大学における学びについて、関連する知見を広く吸収しつつ、自らに問いかけ他者に伝え、また他者からの反応を受けとめる体験を通じて、大学における学びへの意欲を高めること、②こうした仲間との対話や自己省察から新たな気づきや疑問を発見する過程を通じて、創造的・批判的に問題に取り組み学んでいく態度を培うこと、③対話や省察を通じて得た自らの学びが持つ可能性や意義、今後の展望等についてプレゼンテーションができるようになること、④このような学びのプロセスにおいて自分がどのように成長したいのか、自分の言葉で表現できるようになることを目指します。
社会的課題の解決や新たな価値を創造するためには、既知の問いに取り組むだけでなく、自ら主体的に問いを立て、新たな課題を発見・発掘する力が重要です。とりわけ、AIが急速に浸透し、急激に変化し続ける現代社会においては、倫理的判断や問題の本質を見抜く洞察力を伴いながら、未知の課題を発見する能力がより一層重要となります。本授業では、グループでの議論や様々な立場・視点からのアプローチを通して、主体的に問いを立て、既存の問題を新たな観点から捉え直し、議論の枠組みを再構築する能力を養います。これらの能力を育成し思考力を鍛えることで、これまで認識されていなかった課題を発見・発掘する力を培うことが、本科目の目的です。
高度化・複雑化した現代社会の課題には、文系・理系を含むさまざまな専門知を活用するだけでなく、専門分野を越境して総合的な視点・方法を用いて取り組むことも重要です。本授業では、現代社会の課題に対する、さまざまな専門分野に基づくアプローチを学び、学生間での協働を通じて知を共有しながら、複数のアプローチを比較・考察していきます。授業における学習を通じて、現代社会の課題が持つ多面性について理解を深めるとともに、専門分野独自の見方、考え方を学んだ上で、課題解決へ向けた種々の境界を越境/接続/総合する視点や考え方を獲得することを目的とします。
言語文化科目は、外国語で目標の課題を達成することができる言語運用能力の習得を目指します。また、外国語の背景にある異文化に対する理解を深めながら、母語や自国の文化を相対化する力を養います。英語科目においてはより高度な運用能力を習得できるよう、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの学習に加え、英語によるプレゼンテーションやディベートへとステップアップできる授業を設けています。また、ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語、韓国語、スペイン語などの初修外国語の授業では、初めて習う言語そのものの学習だけでなく、その言語の発想法や背景における文化を理解することで、思考の幅広さを涵養することを目標にしています。多言語・多文化入門講義は、これら初修外国語6言語とそれぞれの言語圏の文化についての各言語担当教員によるオムニバス授業です。世界の多言語・多文化性を理解し、世界を多面的・相対的に捉えるグローバルな視座と思考力の基礎を養います。(履修についての詳細は、履修要項の「言語文化科目」を参照してください。)
文系ディシプリン科目では、従来の各「入門」科目に加え、令和7年度から「人間・社会・文化」というクォーター科目を開設します。この二つの科目群によって、九州大学の多様な学生に人文社会科学(いわゆる「文系」分野)に関する幅広い教養教育と専門基礎教育を提供します。
すべての学生にとって、アクティブ・ラーナーになるための骨太の基幹を作るためには、多様な「文系」的思考に触れ、豊かな学問的教養を身につけることが重要です。新科目「人間・社会・文化」では、具体的なテーマや問題に即して文系のディシプリンを「体験」することを通じて、多様なものの見方や分析の手法があることを学ぶことができます。
(*A/Bを各1単位ずつ、最大2単位まで履修可能)
従来の「入門」科目は、文系学生にとっては専門基礎科目として、今後の専攻教育につながる初歩的な専門知を獲得するための場となります。また、自分の専門に隣接する分野のディシプリンにも触れることで、幅広い教養に裏打ちされた深い専門性を育む基盤を築くことができるでしょう。他方、理系学生にとっては、自分が興味ある分野の教養をさらに深めるための場となります。
入門科目は大きく8つの系(哲学系、歴史系、文学系、社会系、心理系、教育系、法学系、経済系)に分けて開講しています。同じ名前の入門科目でも、担当教員によって授業内容や形態が異なるので、シラバスをよく読んで履修してください。
なお、特に注意してほしい点ですが、新科目「人間・社会・文化」は理系学生だけのための授業ではありません(同様に各「入門」科目も文系学生だけのものではありません)。「人間・社会・文化」を受講して興味をもったので同じ分野の「入門」科目をさらに受講する、あるいは入門科目を履修後にその分野の方法論の具体的な応用・実践を「人間・社会・文化」で学ぶ、といった履修ルートもあり得ます。文系学生がこうした過程を通じて自分の専門分野を定め、より深めていくこともできるでしょう。
理系ディシプリン科目では、興味と問題意識を持ち、自ら考えることで、知識を増やし蓄えるだけにとどまらず、知識を使える力を育てることを目標としています。教養・専門基礎・リメディアルの3つを意識した科目を設けています。
それぞれの科目が持つ学問領域の基礎的な素養を修得し、自らの生活や取り巻く環境との関わりを考えられるように授業内容を構成しています。理系専攻教育への積み上げのための基礎としてではなく、多様な自然科学科目を学ぶことによって、自然科学的な視点を獲得することを狙いとしています。
理系分野の専攻教育に連続的につながるものとして、着実な積み上げにより系統的に学習できるように授業を構成しています。学際性を意識して自然科学の基礎を幅広く学習することで、専門分野をより深く考えたり高めたりすることも期待します。また、自然現象を研究し理解するためには、実験的手法は欠かせないものです。そこで、全理系学部・学科に共通した内容の自然科学実験を提供しています。そこでは、物理学・化学・生物科学の各分野にわたり、それぞれのテーマに沿った観察・実験を行い、結果をレポートとしてまとめることを通して実験的手法を学びます。
物理、生物について高校で授業を受けなかったり、受験科目として選択していなかったりしたことで生じる、基礎的知識の不足や偏りを補足して、専門分野へつなげられるようにするための科目を設けています。理系専攻教育へのスムーズな発展を狙いとしています。
理系ディシプリン科目の最低修得単位数、必修科目及び選択必修科目は、各学部・学科ごとに指定されていますので、履修要項の「理系ディシプリン科目の学部・学科別履修一覧」及び「各学部・学科の履修細目」をよく読んで履修してください。
インターネットやICT技術の普及によって、セキュリティに対する重要性が日に日に高まっています。また、コンピュータをインターネットに接続しているときだけに留まらず、パソコンを持ち運んでいるとき、あるいは銀行オンラインシステムを利用しているときなども常にセキュリティのことを注意すべきであり、対象は広いサイバー空間へと広がっています。このような状況で我が国ではサイバーセキュリティ基本法に従って、大学におけるセキュリティの教育に加え、国民個人のセキュリティへの対応能力の向上が求められています。本講義では、学年、専門を問わず、今後ICT国際社会で生き抜くためのサイバーセキュリティ力を向上させることを目的として、セキュリティに関する基礎的な技術から法律、倫理まで幅広く学びます。
健康・スポーツ科目では、心身ともに健やかな人材の育成を目的とします。そのために、主に身体運動やスポーツを媒介として、生活の基本となる健康・体力およびそれらを高めるための方法に関する正しい知識を獲得すること、ならびに様々な社会的要求に応えるために必要とされる心理社会的能力、いわゆるライフスキルを修得・向上させることを目標とします。各科目は、年次進行に伴って、これらの知識やスキルが段階的に向上していくように配置されています。これらの科目の履修により、自律的な健康行動に結びつくような運動スキルあるいはライフスキルの更なる向上を図ること、また、健康・運動・スポーツ科学にかかる理解を一層深めることができます。
総合科目は、文系から理系、純粋から応用にわたる幅広いテーマと多種多様な授業形態(講義形式、演習形式、セミナー形式、集中講義形式、フィールド形式など)をもつ授業科目からなります。主体的に課題を発見し探求して新たな知を深化・創造していく場であり、そして異分野の人との交流による知の創造・進展の場です。九州大学の教員が自主的に開講する授業に加え、 QRECや各研究機関、他大学と連携して行われる授業もあります。授業を通じて得られる多様な知識の修得、知識に至る考え方の過程の経験や他者との交流から得られる創造的・批判的な思考の方法の涵養を目標としています。
高年次基幹教育科目はすべての2年生以上を対象に各キャンパスで開講されます。それらは、専攻教育の学修による知識の深化を背景として生まれてくる、より多様で幅広い教養への興味、専門性の一歩先にある有用な知識やスキルに対するニーズを満たす科目からなります。専門性を契機として生まれるアクティブな学びの広がりと深まりを促すことを目標としています。