九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター

データサイエンス教育FDを開催しました

平成30年12月11日(火)にリベラルサイエンス教育開発FD「九州大学におけるデータサイエンス教育研究の取組」を開催しました。九州大学 数理・データサイエンス教育研究センターでは、“Open Science and Open Education with Open Mind”をスローガンとして、“部局や分野間の壁を越えて”、データ解析の面白さと重要さを伝えていくための講義やイベント、教材開発やカリキュラム準備を実施されています。今回のFDでは、センター長である内田誠一先生をお招きし、センターの理念、科目開発やカリキュラム準備、活動展開における工夫などについて講演して頂きました。

開催概要

開催案内(PDF) ポスター(PDF)

【日時】平成30年12月11日(火)14:50~16:20
【会場】九州大学 伊都キャンパス
センター3号館3105・3106教室
伊都キャンパスマップの61番です。

【講師】内田誠一
(九州大学 システム情報科学研究院・教授(主幹教授)/数理・データサイエンス教育研究センター長)

【定員】30名(先着順)
【参加費】無料
【対象】教養教育や学際教育にご関心のある大学教職員、高校教職員、大学院生

開催報告

【参加者情報】
学外:7名(うち県外 5名)
学内:23名
合計:30名

【アンケート結果】

《満足度》

満足:14 概ね満足:6 どちらともいえない:0
やや不満足:0 不満足:0

《参考になった点》(抜粋)

  • オープンサイエンス、オープンエデュケーション、オープンマインド、の考え方はこれからの大学教育に重要だと思った。大学間の連合が起こるときに、さらに大事になる要素だと思った。
  • 分野問わず必要なスキルを様々なレベルで教えるやり方が参考になった。
  • 文理融合を推進する必要性を痛切に感じた。
  • 「学際的な広がり」に大変魅力を感じた。総合大学としてとても重要だと思う。
  • 低年次向けデータサイエンス実践教育について、文系・理系の学生に対する講義内容のレベルに合わせた講義方法など、今後のカリキュラムを構築する上で大変参考になった。
  • 高年次教育→低年次教育→研究(部局アンテナ)、と着実に進めている姿がとても印象的だった。各部局にアンテナをというアイディアは、データサイエンス版のURAというイメージを持った。ディスカッションの最後で出た「学生に学生を教えてもらう」というコメントも含めて、業務の全学的な展開のさせ方として参考になった。

《分からなかった点・もっと説明してほしかった点》(抜粋)

  • データサイエンスの応用事例と可能性に関する紹介があると嬉しい。数理・データサイエンス教育研究センターの合宿勉強会がそれにあたるのか?
    【内田先生からの回答】各部局に案内メール送出をおねがいしておりましたが、1月11日にシンポジウムがあります。
    【学内限定】九州大学 数理・データサイエンス教育研究センター「数理・データサイエンスに関する教育・研究支援プログラム 研究成果発表会」
  • セミナーについて教えてほしい。
    【内田先生からの回答】セミナー等のイベントについては、センターHPに掲載しておりますので、ご参照ください.
    九州大学 数理・データサイエンス教育研究センター ウェブサイト
  • 個別指導は興味深いが、広範囲に対応できる教員が必要で、一般的に広げるのは難しいのだろうか。
    【内田先生からの回答】おっしゃるとおりで、個別指導の対象とできる学生数には限界があると思います。(現状では、足切りせずに済んではおりますが..)TAの活用や、各分野のセンター教員による「駆け込み寺」などの利用で、できる限り対応したいとは考えています。
  • データサイエンス教育を大学教育にもっと組み込んでいった場合、何を削れば(削っても)良いのか?純粋数学などは相対的に要らなくなるのか?
    【内田先生からの回答】他のサイエンスと同様、純粋数学が不要になるなどとは、絶対に思いません。個人的にはデータサイエンスのような「使える数学」の学びを経て、純粋数学(サイエンスとしての数学)に興味を持つ学生が増えるとよいと思います。
  • 外部資金や競争的資金が切れたとき、データサイエンスに関連する科目をどのように維持していくのか、または切れるまでに持続可能性をどのように担保される予定なのかを伺いたい。
    【内田先生からの回答】残念ながら概算要求でのセンター運営ですので、予算がなくなると活動規模は縮小せざるを得ないかもしれません。それまでの間に、全学にデータ解析の方法論を根付かせ、各ラボレベルで自律的に解析ができるようにしてまいりたいと思います。

《その他》(抜粋)

  • データサイエンスの勉強会があればぜひ参加させて頂きたい。
    【内田先生からのコメント】データサイエンス概論については、誰にでも門戸を開いておりますので、お気軽にご参加ください。
  • 本学は文部科学省から公募のあった来年度概算要求事項である「数理・データサイエンス教育強化事業」の協力校として申請している。承認されれば御校の拠点校としてのノウハウなどを参考にする機会があるかと思う。その際は協力をお願いするかもしれない。
    【内田先生からのコメント】他校支援は拠点校の役割の一つですので、その際は喜んで協力させていただきます。
  • (九州大学)附属図書館ではオープンサイエンスのもと、学術論文だけでなく研究データの公開(オープン化)を進めている。その過程で、管理・保存・データ解析といった公開以外のフェーズにも何らかのかたちで関係していくことになるだろうと思っている。数理・データサイエンス教育研究センターのような組織の果たす役割は大きいと感じた。今後、様々なかたちで連携・協力させて頂きたいと(勝手ながら)考えている。
    【内田先生からのコメント】ありがとうございます。何かあればご連絡ください。
  • 今後、すそ野を広げていくために、TAが活用できないかという話があったが、このように特定の部局に限定しない支援体制は非常に重要だと考えている。現在のTA制度では、直接的に授業に関わる部局にしかTA経費が配分されないが、このような全学的なサポートに対しても配分されるよう、制度の拡張が進んでいくと良いと感じた。
    【内田先生からのコメント】各分野の学生をTAとして雇って、当該分野のDSのヘルプデスクとするというアイディアは、是非センターでも考えて参りたいと思います。
  • 様々な大学におけるリベラルサイエンスの取り組みを知りたい。
    【事務局からの回答】今後は他大学における理系教養教育や学際教育に関する先進事例についてもFDで取り上げていきたいと考えております。貴重なご意見ありがとうございます。
PAGE TOP