九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター

九大AL教室(プレゼン教育)を開催しました

令和元年10月11日(金)に九州大学アクティブラーニング教室「プレゼンテーション教育を考える」を開催しました。今回の九州大学アクティブラーニング教室は、九州大学におけるプレゼンテーション教育の実践例と共に、今後のプレゼンテーション教育について考える機会としました。実践例としては、学部1年生を主に対象とした講義「プレゼンテーション入門」および学部2年生以上と大学院生を対象とした講義「プレゼンテーション基礎」、そして、初年次学生からTA教育までの幅広いプレゼンテーション教育を実践している図書館TA(Cuter)の活動について、話題提供して頂きました。話題提供の後には、大学におけるプレゼンテーション教育についての全体討論を行いました。

開催案内(PDF) ポスター(PDF)

【日時】令和元年10月11日(金)15:00~17:00
【会場】九州大学 伊都キャンパス
中央図書館4階 きゅうとコモンズ

【定員】40名(先着順)
【参加費】無料
【対象】プレゼンテーション教育に関心のある大学教職員、高校教員、大学院生

【講師】
中野美香(福岡工業大学 社会環境学部・准教授)
上土井宏太(九州大学附属図書館 学術サポート課 学習・研究支援係)

【共催】九州大学附属図書館

【プログラム】
15:00~15:35 話題提供1(中野美香)
「深い学びにつながるプレゼンテーション教育:並行反復学習法による九大生の変化」
本講演では基礎的・汎用的能力の一つとしてプレゼンテーション能力を捉え、深い学びにつながるプレゼンテーション教育の方法と実践事例を紹介します。具体的には、講師が開発した並行反復学習法を用いた九州大学での講義「プレゼンテーション入門」および「プレゼンテーション基礎」の受講生の変化を明らかにし、今後の課題と展望を述べます。

15:35~16:10 話題提供2(上土井宏太)
「九州大学附属図書館におけるプレゼンテーション教育支援-図書館TA(Cuter)と共に-」
九州大学附属図書館では、大学院生の図書館TA(Cuter)が図書館職員と協働して学習支援に取り組んでおり、講習会や学習相談等を通したピアサポートによって、学生たちの身近な存在として活躍しています。本講演では、プレゼンテーション教育を支援するために図書館TA(Cuter)が行っている1年生向けプレゼン講座、TAとなる学生向けに開講されているアカデミックスキルズ講習、高年次基幹教育でのTA活動などについて、実践例を交えながら紹介します。

16:10~16:20 休憩

16:20~17:00 全体討論

開催報告

【参加者情報】
学外:10名(うち県外 0名)
学内:22名
合計:32名

【アンケート結果】

《満足度》

満足:8 概ね満足:4 どちらともいえない:1
やや不満足:0 不満足:0

《参考になった点》(抜粋)

  • プレゼンテーションの教え方について考える良い機会になった。
  • スライド作成(matter)に大半の時間を掛けていたが、伝え方(manner)にも同じぐらい時間を掛けた方が良い事が分かった。
  • 講義外でのプレゼンテーション教育について、図書館での学生支援の方法を具体的に知ることができ参考になった。
  • プレゼンテーションに対し、多くの学生が不安を感じていることが分かった。こういうデータはやはり指導している立場の人間でないと分からないことが多いため、参考になった。私も「プレゼンテーション基礎」のTAができれば良いと思った。
    【中野先生からのコメント】コメントありがとうございます。大学生になるとこれまでの経験の差が大きいので、大学生同士で気軽に学び合える場づくりが大事だと思います。プレゼン基礎のTAとして講義でお会いできるのを楽しみにしています。

《分からなかった点・もっと説明してほしかった点》(抜粋)

  • 中野先生の講義について、学生のパフォーマンスや成長を実際にどのように評価しているか、成績としてどのように反映させているか、といった点について深く聞いてみたいと思った。学生の変化のどの部分を成果として抽出できるか、その方法をさらに知りたいと感じた。
    【中野先生からの回答】ご質問ありがとうございます。プレゼンテーション基礎の評価は、「2回のPPT作成課題と発表(質疑応答含む)」50%、「レポート」20%、「提出物」20%、「授業への貢献」10%としています。レポートは講義の最後に講義前後の自身の変化やプレゼンを学ぶ意義などを自由記述で論述するものです。提出物はルーブリックのアンケート、テキストのワークシート(ポートフォリオ)、授業への貢献度は司会・発言の回数などです。
    この中で最も重要だと考えているのが「自身の変化に関するレポート」です。並行反復学習法では、1回目の発表の経験を2回目にどう活かしたか、それを次の機会にどう活かしていくかについての省察が欠かせません。振り返りに含まれる視点が増えているか、気づきが理論化されているかを評価します。実際に、これまでの研究で、言語化された振り返りの量(文字数)と実際のプレゼンテーションのパフォーマンス(内容・伝え方)には相関があることがわかっています。
  • 教育者側のコストについて教えてほしい。(良い教育をするためには教育者に負担を強いるため。)
    【中野先生からの回答】ご質問ありがとうございます。基本的な指導についてはマニュアル化することで教員の負担を減らすことにつながると考えます。大学での半期(90分×15回)の講義で『大学生からのプレゼンテーション入門』を用いた教員用マニュアルがウェブサイトからダウンロードできます。よろしければご笑覧ください。この他,教員自身がプレゼンテーション・スキルを磨いたり,教員間で困ったことを解決できるようなコミュニティづくりも,心理的負担を軽減するために重要だと考えています。
  • 図書館でプレゼンテーションの何をどのように教えているか知りたいと思った。
    【上土井さんからの回答】ご質問ありがとうございます。附属図書館では、毎年6月に基幹教育セミナーの受講生を対象として「1年生向けプレゼン講座」を実施しております。
    講座の中で、準備の大切さ・話し方のコツ・スライド作りのコツについて、図書館TA(Cuter)が講師となって説明を行うと共に、図書館TA(Cuter)による模擬プレゼンを実施することで、実際のプレゼンテーションをイメージしやすくする工夫をしています。
    また、講習会終了後に反省会を行い、見つかった課題を次の講習会に活かすことで、講座の内容を常によりよいものにする努力を行っています。
PAGE TOP