基幹教育院について

About Faculty of Arts and Science,Kyushu University

教員紹介

山田 祐樹准教授 Yuki Yamada

専門分野
行動科学・認知科学
基幹教育院自然科学実験系部門の山田祐樹です。私の専門は「認知心理学」という心理学の一分野です。時間や空間の認識,意識,感情などを研究しています。探し物が目の前に置いてあるのに気づかない時があるのはなぜかとか,感じる時間の長さが場合によって伸び縮みするのがなぜかとか,不気味の谷のロボットがなんで不気味なのかとか,ぶつぶつがいっぱい集まってるとなんで気持ち悪いのかとか,そういうのです。なお,心理学についての紹介や私の想いは心理学入門の授業紹介をご覧いただければ全部まるっとお分かりになると思いますのでそちらをどうぞ。今回は心理学のお話は省略します。
ところで突然ですが,私は幼少期にけっこう長いこと日本舞踊をやっておりました(藤間流)。今でこそ見る影もなく極限まで磨き抜かれた生粋の猫背ですが,当時はかなり姿勢が良かったと思います。過疎地域・大牟田市にあって稀有な保育園児の踊り手でしたので,周囲からの強い期待を感じていましたし,私自身も気がつけば名取を意識していました。体系的な理論や技術などは良く分かっていなかったのですが,少なくとも重要なのは「緩急」であるということを何となく感じていました(まあこれはあらゆるジャンルで出てくる話だと思います)。歩くという動作だけ見ても,音を全く立てないときと逆に踏み鳴らすときを明確に使い分けますし,その他の振りでも急速に動くときと完全に停止する(ように感じさせる)ときを強調します。これはおそらくこちらの意図やストーリーを明確化して見せるのに必要だったのではないかと今は解釈しています。
ふと思いやると,自分は今も授業で同じようなことをやってるなあと気付かされます。声の強弱や高低はもちろん,速度変化や意図的な無音時間もかなり利用しています。対面授業の場合は,移動や身体運動もそれに伴います。日本舞踊の歩法も使っている気もします。これらが効果的に機能しているのか分からないため,授業中に細かく実験した方がいいかもなと思っています。
最近は研究活動についても緩急の必要性を感じております。実は日本舞踊のあとに好きなジャンルがHIPHOPに変わったのですが,Tha Blue Herbというアーティストのリリックに「早く進むと見せ早く休む 長く休む間さらに速く進む」というフレーズがあります。常に一定の高速度で研究を進めているように見せていると(それすらできてはいないのですが・・),いろいろと不具合をきたします。今のところの目標は千変万化,教育も研究ももっとしっかり考えてその進め方をコントロールしていきたいものです。
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