基幹教育院について

About Faculty of Arts and Science,Kyushu University

基幹教育院 ニューズレター「き」9号

基幹教育院新院長からのご挨拶

基幹教育院長 谷口説男

 平成23年10月の基幹教育院設立から7年、平成26年4月の基幹教育開始から4年半が経ちました。設立当初から基幹教育院長を務めてこられた丸野先生から、この10月に教育院長職を引き継ぎました。平成24年11月から拝命した基幹教育実施準備WG長時代から今日まで、チームでの科目設計・改良を通じて自らの基幹教育のイメージを見直し改めるという「現場で学ぶ」を繰り返しています。基幹教育セミナー、課題協学科目でアクティブ・ラーナー育成の推進力とされている、「協働-対話-内省」のサイクルを回転し続けている状況です。
 基幹教育院カリキュラムはアクティブ・ラーナーへ成長する力を培うことを目的としています。そのために目標として、①深い専門性や豊かな教養へとつながる知識、技能、②「ものの見方・考え方・学び方」、③自発的な問題提起、創造的・批判的な吟味検討ができる主体的な学び、④多様な知の交流を行う能力、差異を認め合う共感力、コミュニケーション能力、の4つを身につけることを、学生たちに配られる履修要項に挙げています。これらを見られて「独り立ちの研究者へと学生を育む際に、陰に陽に彼らに伝えていることに他ならない」と思われる方も多いでしょう。基幹教育構想時に創出された「アクティブ・ラーナー」という言葉には、研究大学として行ってきた人材育成の次世代に向け持続可能な継続と拡大展開への思いが込められています。その意味で、教育に携わっている教員が、その研究者としての矜持をそのまま授業の中で展開することが、相手が初年次生であろうと高年次生であろうと、アクティブ・ラーナー育成だと言えます。1学年2600名近い学生がすべて研究者となることはありえません。しかし、彼らが皆アクティブ・ラーナーとして、研究者マインドの種を抱くようになれば、研究大学として立つ本学の大きな財産となることは間違いありません。
 基幹教育院の直近の目的の一つは、4年半の基幹教育実施の実績を糧に、基幹教育セミナー、課題協学科目を乗り越えて、アクティブ・ラーナー育成にさらに資する科目を開発することです。このためには次世代型大学教育開発センターの活発な活動が欠かせません。一昨年の文部科学省教育関係共同利用拠点認定を受け、基幹教育院は拠点事業を担う同センターを新設しました。3年間の拠点認定に加え、先ごろ、平成31年度以降5年間の拠点認定も受けました。同センターは、「リベラルサイエンス」をキーワードに、新しいタイプの学際融合科目の開発を目指して鋭意活動を行っています。さらに、科目開発に加え、様々な情報発信・交換の場を提供しています(センターのHP(http://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/~cfde/)。
 これからも、基幹教育院は、専門教育との連携をより密にし、大学院基幹教育もさらに充実・浸透を図り、学生たちをアクティブ・ラーナーとして送り出すカリキュラム開発・改良に努めてまいります。全学を挙げてのご指導、ご鞭撻を希う次第です。