令和4年8月25日(木)、カリキュラム設計担当者養成プログラム「教学マネジメントとは何か・何のために、実施するのか・そのために、何を問うのか」を開催致しました。
学修者本位の教育の高度化に向けて、各大学において様々な取組が展開されています。とりわけ、学修成果の可視化を目指す試行錯誤は、DXの進展によって、新たな局面を迎えているように見えます。教職員の時間をはじめとするリソースが枯渇するなかで、学生の学びを支える教育学習環境をいかに効果的・効率的に設計・運営・改善していくのか、教学マネジメントを支える専門人材が果たすべき役割は拡大しており、一層高度な力量が問われています。九州大学では、学問分野(学際領域を含む)を基盤とする人材育成を効果的・効率的に推進するために、教学マネジメント枠組みについての全学合意を平成30年度に確立し、展開してきました。本FDでは、令和4年夏時点での成果と課題を整理し、DX時代における方向性を展望しました。
┃開催概要
【日時】令和4年8月25日(木)13:00~15:00
【会場】Zoomによるオンライン開催
【会費】無料
【対象】 大学における教学マネジメントに関心のある大学等教職員
【講師】 深堀聰子(九州大学 教育改革推進本部・教授)
【プログラム】
1. 開会挨拶
2. 講演「教学マネジメントとは何か・何のために、実施するのか・そのために、何を問うのか」
3. 質疑応答・ディスカッション
4. 閉会挨拶
※プログラムの内容等については開催案内をご覧ください。
※九州大学の教学マネジメントについては、教育改革推進本部WEBサイトとこちらの動画もご参照ください。
(それぞれ、外部サイトへのリンクとなっております)
┃開催報告
【参加者情報】
学外:69名
学内:4名
合計:73名
〇参考になった内容(抜粋)
- カリキュラム改訂時に教育支援組織が何ができるか、どこまで踏み込むべきかと悩んでいましたが、部局の問題意識に対して支援する情報を提供する、データから問題点を指摘する等、具体的な内容があり参考になりました。
- さまざまありますが、高等教育って教職員側にとってもっと考えないといけないんだろうと思いました。学生には「授業態度」「プレゼン力」「伝える力」などを求めているけど、教職員で果たしてどれだけ実践できているのか。。。FSDで発表する際に発言を促しても下を向く人たちが多いので、そういう場面を見るとそりゃPDCAのCなんかまで回らないよな、と思ったり、いろいろと考えさせられました。
- 私は現在教務課の課員として働いており、直接的に教学マネジメントに関わるという事は今の時点ではありませんが、大学としての方向性や必要な情報を知る、それを理解する知識が必要であると改めて感じました。本学では授業評価アンケートや卒業者調査などは、実施するだけになってしまっており、検証や改善、フィードバックが出来ていないのではないかと感じました。アンケートをとっただけのやりっぱなしになるのではなく、効果検証をしていく次の段階につなげていきたいと思いました。
- シラバスシステムへの反映など、ビジョンを具現化していくアプローチはとても参考になりました。現状の課題として、カリキュラムそのものを構築していくという段階でもあるため長期目標にあたる内容がメインではありましたが、質保証や効果検証の重要性とサイクルのイメージが参考になりました。
- DP関連での達成度評価は行った経験はあるが、カリキュラムマップと統合することで、特質や構造がより具体的に明らかになり、教育改善に直接結びつけられそうな気がしています。
- 教学マネジメントとは、教育機関を「経営」すること、という言葉に強く共感します。Tuningテスト問題バンクは非常に良い取り組みだと思いました。
- 学修者の視点に立って整合性を重視することが参考になりました。成績評価の厳格化からもシラバスとルーブリック、カリキュラム・マップの連動を見直すためにも、あらためて3つのポリシーを再確認していくことに取り組みたいです。