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未来社会倫理教育研究部門

未来社会倫理教育研究部門

九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター > 未来社会倫理教育研究部門

概要

新しい優れた技術は、その便利さから瞬く間に社会に普及することがある一方で、それまでよしとされてきた私たち自身の生き方や社会のあり方(つまり広い意味での「倫理」)を、なし崩し的に大きく変えてしまう可能性があります。
例えば、近年急速な進歩を遂げて社会に浸透しつつある生成AI技術は、教育現場における「どんな人物をどのように育成していくべきか」に関する従来の考え方を大きく揺さぶっています。生成AIに訊けばたいていは人並み以上の回答が誰でも得られる時代において、どんな教育が(特に高等教育機関において)なお必要なのでしょうか。
こうした技術と人間・社会(倫理)との間での緊張関係ゆえに、私たちの「未来社会」は新技術の発展・普及によってそのつど新たな社会課題に直面し、絶えざる変化を余儀なくされているように見えます。

基幹教育院・次世代型大学教育開発センターではこうした問題意識の下、公益財団法人上廣倫理財団からの助成を受けて、2026年4月に寄附研究部門「未来社会倫理教育研究部門(Research Division for Ethics and Education for Future Society)」を新たに設置し、未来社会のための新たな倫理教育科目の開発・展開に向けて活動を開始します。

本部門では、以下の2つの主要課題に取り組んでいきます。

課題1 「未来社会の倫理」の構想のための学際的研究

現在・近未来において私たちが直面する様々な社会課題に対し、それを単に各分野の専門家たちの議論に委ねてしまうのではなく、「この社会を生きる私たち自身の倫理的な問題」(望ましい生き方や社会のあり方の問題)として捉え返すこと、すなわち「私たち」自身が様々な倫理的問題について主体的に考え議論することを通じて自ら倫理的な主体となっていくことが、このAI時代における「人間らしさ」の余地を考える上でもますます重要となっています。
本部門ではそれを「未来社会の倫理」として、専門家や一部の関係者だけでなく、同じ社会を生きる多くの人々と共有できるような形で問題提起し、活発な議論を呼び起こすことを目指します。また、その倫理的構想をまとめ上げていくために、倫理学だけでなく、他の学問分野の様々な知見も踏まえた文理横断型の学際的研究を展開していきます。

課題2 「高等教育における倫理教育」のための新科目の開発と展開

課題1の研究成果を社会に還元するために、その成果を「大学での授業」という形で大学生・大学院生(加えて社会人)が広く学べるよう、「高等教育における倫理教育」という新たな枠組の下で新科目を開発します。この試みは、九州大学が2014年から「アクティブ・ラーナー」の育成を目指して展開してきた「基幹教育」の延長線上に位置づけられるものでもあります。
この「高等教育における倫理教育」という枠組は、従来の「初等・中等教育における道徳教育」や「各分野における専門職倫理教育」とは異なった意義・性格をもつものです。それは、すでに一定の道徳的主体となっている(はずの)学生や社会人を対象とするという点で前者とは異なり、同じ社会を共にする「私たち」が広く共有すべき倫理に関わるという点で後者とは異なります。したがってこのような倫理教育に取り組む新科目は、「一方向的に倫理(学)を教える」ものではなく、「様々な倫理的問題に関する議論に主体的に参加し協働的に考えることを促し、そうした態度自体を涵養する」ものでなければならないでしょう。
また本部門では、開発した様々なタイプの新科目を実際に九州大学で開講するとともに、そのノウハウや科目パッケージを全国の高等教育機関にも広く提供し、共有・改善していくためのFD活動を展開していきます。

本部門では以上の通り、次々と浮上してくる様々な社会課題に対し学際的なアプローチから「未来社会の倫理」を構想・提言するという調査・研究活動と、またその成果を「高等教育における倫理教育」という形で広く学べるようにする教育普及活動とに取り組んでいきます。
こうした活動を通じて、単に専門的な知識・技能を身につけるだけでなく、自身の生き方や社会のあり方について自律的かつ協働的に考えながら行動できるような倫理的主体性をもった人物を育成する、という現代の高等教育機関に求められる重要課題に対し積極的な貢献を行なうことを目指します。

メンバー

部門所属教員

部門長:飯嶋 裕治(基幹教育院・准教授/哲学・倫理学・日本思想史)

部門研究員:佐竹 佑介(基幹教育院・助教/哲学・倫理学)

部門研究員:丸山 望実(基幹教育院・助教/哲学・倫理学)

協力教員/共同研究員

協力教員:梶原 健祐(基幹教育院・准教授/憲法学)

協力教員:金山 浩司(基幹教育院・准教授/科学技術史)

活動実績

「AIの倫理・哲学」「AIと大学教育」などに関する先進的な研究・教育を行っている方を講師として招聘し、その知見を広く共有するFDや研究会、シンポジウムを企画・開催していきます。また開発した新科目の成果については、次世代型大学教育開発センター(リベラルサイエンス教育開発モジュール)主催のFDを通じて、様々な教育関係者にも広く利用可能にしていきます。

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