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九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター > 【開催報告】九州大学アクティブラーニング教室「ラーニングアナリティクスで見える授業改善のポイント」

【開催報告】九州大学アクティブラーニング教室「ラーニングアナリティクスで見える授業改善のポイント」

令和5年3月1日に、九州大学アクティブラーニング教室「ラーニングアナリティクスで見える授業改善のポイント」を開催しました。 本研修では九州大学におけるラーニングアナリティクス研究の取り組みと教育現場での活用方法をスライドで紹介し、その後質疑応答を行いました。

 

┃開催概要

【日時】令和5年3月1日(水)10:30~12:00
【場所】Zoomによるオンライン配信

【定員】40名(先着順)
【対象】ICTを活用した授業を実践あるいは興味を持っている大学教職員

【講師】山田政寛(九州大学 基幹教育院・准教授)

 

 

詳細については開催案内をご覧ください。

 

┃開催報告

【参加者情報】

 学外:26名、学内:8名、合計:34名

 

【質疑応答】(発言内の表現は短く修正しています。)

  • 社会的手抜きについて。自分の大学ではラーニングアナリティクス(以下LA)を導入するには至らないのですが、LMS等を使いながら社会的手抜きを防ぐ方法があればご教示ください。
    【山田先生からの回答】個人の頑張りが見えないから社会的手抜きが発生するわけで、悩ましいですね。本学でもよく議論されます。九大でいうとMoodleですが、Moodleだと発言のPost数が可視化されているので、それを手がかりとして、学習への参加とみなすのも一つの手かと思います。相互監視的な気もして不快に思われるかもしれませんが、自分がやってきたことを可視化するのが一番有効だと研究レベルでも言われています。また、匿名での発言やレポートの相互評価も一定の効果はあるのではないかと思います。実名だと人間関係が邪魔をして効果が落ちるようです。
  • 実際に可視化したデータをもとに、授業改善に至った具体例があればご紹介頂きたいです。たとえば、「このことを可視化したらこういう問題があることがわかり、それをこうして改善するとこう良くなった!」みたいなストーリーをお聞きしたいです。
    【山田先生からの回答】事前にどの辺が理解していないのかを把握することで、学生が変わる事例があります。スライドで紹介したリーディングパスを解析することで、学生がどの部分でつまづきやすいのかが可視化できます。特にわからないという部分を意識して説明するだけで学生からの評判は上がりますので、学内の先生には積極的に取り組んでいただきたいと思います。
  • 学生や教員は、Moodle、BookRoll、Metaboardのシステム間の行き来はしやすいのでしょうか。また、蓄積した学習行動のデータはどの程度の人が閲覧可能なのでしょうか。授業改善はもちろん、教学マネジメントで学部カリキュラムを改善する資料としても有用だと思いました。職員や他教員がデータを見る場合もあるのでしょうか。
    【山田先生からの回答】システムの行き来については、教員がツールを埋め込めばシステム間で再ログインすることなく利用できます。匿名化されるので、セキュリティ面でも安全です。学習行動データは、利用目的等を申請すればアクセス可能となります。
  • 学生の授業後アンケートについてお尋ねします。匿名でも小規模のクラスだと、個人の特定を恐れてかポジティブな回答が多く、果たして本音で回答しているのか不明です。どのような質問であれば学生の本音が引き出せるか、アイデア等ありましたらお伺いしたいです。
    【山田先生からの回答】質問紙だけで学生の本音を引き出すのは難しいですね。(定形のアンケートでは難しい部分もありますが)満足度よりも学習習慣や学習方法などに着目すると、有用なデータがとれるのではないかと思います。そして、学習行動としてああすればこうなる、というパターンが見えてくるのではないでしょうか。
  • (事務局より)今のQ&Aに関して、質問をするよりも、本日のテーマであるラーニングアナリティクスで分析するのがよいという風に理解しましたが、データから学生の本音を引き出すのは誰にでもできるのしょうか。それとも訓練等が必要なのでしょうか。
    【山田先生からの回答】本学の取り組みとしては、誰でも活用できることを目標にしています。リーディングパスを例にとると、実態としてどう学習しているのかを見えやすくするために様々な図を活用したアプリ開発をしています。活用は容易ではないかと思いますが、それでも難しいと感じるならばご指摘いただければ改善するよう取り組みます。学内ではなく一般的なことを申し上げますと、LMSでも数値をグラフ化しているツールがあるので、それを参考情報にして考える方法もあると思います。ツールの利用が難しい場合は、ログをダウンロードしてエクセル等でデータ分析する方法もありますが、統計の知識が必要ですね。いっそ研究として、情報基盤系の先生と共同ですすめるのもいいかもしれません。
  • 九州大学ではLAは義務でしょうか?
    【山田先生からの回答】そのコースにLAの機能を追加しないとデータは取れないので、義務ではありません。ただ、本学ではLAセンター立ち上げて全学的に推進しているので、教員や学生に広く積極的に活用していただきたいと思っています。

 

【アンケート結果】(抜粋)

参考になった箇所

  • Reading Pathの話が参考になりました。
  • 現行の学内のシステムで詳細な分析が可能だという点が驚きでした。
  • 教員のみならず、学生もLAでの情報をみることができる点が新鮮でした。

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