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九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター > 【開催報告】九大AL教室「オンライン授業だからこそやってみよう!ラーニングアナリティクスによる授業改善」

【開催報告】九大AL教室「オンライン授業だからこそやってみよう!ラーニングアナリティクスによる授業改善」

開催案内(PDF) ポスター(PDF)

 

※本研修会は令和2年2月27日に開催予定だった研修会の内容を改訂したものとして開催されました。

 

2020年に入り、新型コロナウィルス感染症の拡大により、国内外の教育機関において、ICTをフルに活用したオンライン授業が展開されています。ICTの大きなメリットは授業内外において、学習者の学習行動記録、いわゆるログが残ることです。このログを有効活用することによって、授業、または、学習者自身がとるべき学習行動の指針を与えることも可能となり、授業改善・学習支援に対して大きなヒントになります。このような学習支援システムに蓄積された記録であるログを活用した授業改善・学習支援に寄与する研究をラーニングアナリティクスと言います。今回の九州大学アクティブラーニング教室では、ICTを活用する方法について、ラーニングアナリティクスのアプローチでできることを山田政寛先生にレクチャーしてもらい、自らの授業や対象としている学習者への適用について考えを深めました。

 

【日時】令和2年7月10日(金)13:30~15:30  【場所】Zoomによるオンライン配信

【定員】40名(先着順)  【参加費】無料

【対象】ICTを活用した授業を実践あるいは興味を持っている大学教職員。

 

【講師】山田政寛(九州大学 基幹教育院・准教授)

 


 

《参加者数》

学外:39名、学内:11名、合計:50名。

 

《事前アンケート結果》

〈参加動機〉

  • 学習者の学習行動記録の分析方法などに興味があるため。

  • ラーニングアナリティクスというものをよく知らないため、ぜひ知りたいと思ったから。

  • 遠隔授業が続いており、オンライン授業の改善が求められている。ラーニングアナリティクスの方法を学び、授業改善に生かしたいから。

  • IRの立場としてラーニングアナリティクスについて学びたい。

  • 学習履歴の効果的な管理と活用について関心があるため。

  • 九州大学のラーニングアナリティクスについては、色々と話は聞いており、実際にBookrollなども使ったことはあるが、さらに実践的に知りたいと思ったため。

 

《事後アンケート結果》

〈参考になった箇所・講義に取り入れたい要素〉

  • ラーニングアナリティクスと言う概念も知らなかったので非常に参考になった。
  • 今後もオンライン授業を効果的に導入したいと考えており、ラーニングアナリティクスによる現状認識の視点は大変参考になった。
  • ラーニングアナリティクスというものの実際を初めてみて、イメージすることができた。オンライン授業では顔が見えにくい分、学生の反応をいかに大切にしていくかという点がポイントだと感じた。学生の細かな反応を拾っていくような努力をしたいと思った。
  • 学生のテキストなどの活用状況が把握できること、それを分析することで授業計画にフィードバックできることは大変参考になった。できれば取り入れたいと思った。
  • 予習でデジタルテキストにマーカーを引かせ、そのデータを検証して授業を行うこと。本校では紙ベースでするしかないが、少人数クラスなら実行できると感じた。
  • オンラインだからとその場限りと思うのではなく、データを蓄積し常にブラッシュアップしていくという姿勢を持っていきたいと思った。

 

〈分からなかった点・もっと説明してほしかった点〉

  • 大学が実際にラーニングアナリティクスシステムを導入する方法とその課題についても知りたいと思った。
    【山田先生からの回答】導入方法はいろいろありますが、企業が提供しているサービスをご利用でしたら、その企業へご相談されるのが良いかと思います。ただ、それ以前に情報処理センターのような情報関係のセンターへ聞かれるのがいいと思います。
  • 具体的にラーニングアナリティクスを実施するのに、何が必要なのか知りたい。
    【山田先生からの回答】学習支援システム、そのシステムへのアクセスログを下さるセンター(全国的には情報処理センターのようなところ)の方のご協力、グラフなどで表現するツールです。データ分析と可視化にはこれらがあれば基本的なところはできます。あとは分析した結果を解釈して、授業改善する行動力です。最後が一番大事かと思います。
  • Moodleなどの設備が整っていない場合の代替手段を知りたい。
    【山田先生からの回答】代替手段でもしITスキルなどお持ちでしたら、Moodle用のサーバーをたてて、インストールし、運用されるというのが良いです。私自身も最初はそうしていました。難しい場合はGoogle classroomなどフリーのツールもありますので活用されるのが良いと思います。使い方についてはそれぞれのシステムベンダーさんへお問い合わせ下さい。
  • 一般的なツール(Google関連のツールやSlackなど)を活用するためにはどうしたらいいかなど教えてほしかった。
    【山田先生からの回答】Google classroomでしたら、たしかダッシュボード機能があったと思いますので、それを利用するのが一番簡単です。Google docsなどへのアクセス頻度など確認できます。Slackは標準でアナリティクス機能はなかったように思いますので、別途開発などが必要なのではないかと思います。
  • Moodleのログを使ったラーニングアナリティクスについて知りたかった。
    【山田先生からの回答】Moodleのログは程度にもよるのですが、学習行動に関して細かなログが取れないので、あまり有用ではないところがあり、私たちは利用していないというのが実情です。小テストのログ利用は研究レベルですが、あります。
  • BookRollの導入の仕方を教えてほしい。
    【山田先生からの回答】学内の方でしたら、簡単に利用できます。お問合せください。学外の方でしたら、利用条件などありますので、個別でご相談ください。
  • 今後、BookRollを使った授業展開を九州大学の中でどのように拡充されるのか、具体的な予定があるのか、知りたかった。
    【山田先生からの回答】学外に向けては研究レベルで広げています。学内では教育利用でも利用可能です。
  • BookQを使わないでも学生の理解度チェックや受講態度などをリアルタイムで把握できる方法(クリッカーなど)があれば、もっと紹介してほしかった。学生が卒業後もBookQを使えるか否かを懸念している。結局は印刷物としての教科書を使う方が学生にとって良いだろうという考えは、今回のお話を伺っても変わらなかった。将来教育職に就かない学生にとっても、本当に一生懸命勉強した教科書とノートは一生の(とは言わないまでも、卒業後10年ぐらいまでは)宝物であり、BookQに置いた電子書籍がそれに置き換えられるとはいまだに思えない。
    【山田先生からの回答】クリッカーのように理解度を適宜把握するというのは1つの案としてあると思いますが、ラーニングアナリティクスのポイントは通常の学習行動から授業の課題を見いだすことにあります。ですので、クリッカーのような一時的な理解度という表層的なところではなく、その理解に至った学習行動などを見いだすことが重要になります。となると、eBookでなくてもいいですが、eBookに準じる、普段の学習者の行動を把握することができるツールが必要になります。日常生活では様々なところにICTツールがはいってきており、情報通信技術の進歩は留まることを知りません。なによりも新たに開発された情報通信技術の普及スピードが劇的に速くなってきており、それを活用した子どもたちが既にいること、私たちが学習の媒体として「重要だ」と、ある種、信念のようなものがあると思いますが、それが通じなくなり、自分自身が変わらないといけないことを私たち教員は理解しておかないといけないと思っています。
  • 授業風景などの写真や動画があればもっと分かり易いと思った。
    【山田先生からの回答】写真はあるのですが、オンラインで講演ということもあり、今回は出せないものもありました。どうかご了承ください。
  • 結果の表示を、大きな画面で見せていただきながら、具体的な説明をして頂けると有り難かった。
    【山田先生からの回答】申し訳ありません。テレビ会議システムを通じて配信すると画質が落ちたりしますので、みえにくかったかと思います。
  • 今回はZoomでの開催だったが、Teams利用との差別化はされているのか。
    【事務局からの回答】特に差別化はしておりません。利用者が多いと見て、今回はZoomを利用しましたが、今後は異なるウェブ会議ツール(TeamsやWebexなど)を利用するかもしれません。

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