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九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター > カリキュラム・コーディネーター養成講座 「カリキュラムデザイン・ワークショップ ~学位プログラムの視点から~」

カリキュラム・コーディネーター養成講座 「カリキュラムデザイン・ワークショップ ~学位プログラムの視点から~」

日時:平成30年3月8日(木)14:00-17:00
会場:九州大学 伊都キャンパス センター3号館3105・3106

対応モジュール:専門的人材養成
 

┃カリキュラムデザインWSを開催しました

 

平成30年3月8日(木)カリキュラム・コーディネーター養成講座「カリキュラムデザイン・ワークショップ ~学位プログラムの視点から~」を開催しました。

 

┃開催概要

開催案内(PDF) ポスター(PDF)

【日時】平成30年3月8日(木)14:00~17:00
【会場】
 九州大学 伊都キャンパス センター3号館3105・3106

【定員】20名(先着順)
【参加費】無料
【対象】学位プログラムやカリキュラムデザインにご関心のある大学教職員、学生

【内容】
 ・「ディプロマ・ポリシーとカリキュラム編成に係るこれまでの経過と今後の課題」
  川島啓二・京都産業大学 共通教育推進機構 教授
  (前 九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター長)

 ・「DPを起点とするカリキュラムマップ作成の実践例」川島

 ・「学位プログラムのカリキュラム設計」
  深堀聰子・九州大学 教育改革推進本部 教授
  (前 国立教育政策研究所 高等教育研究部長)

 ・「学位プログラム化に向けての課題」川島×深堀

 ・全体ディスカッション


┃開催報告

【参加者情報】
学外:9名(うち県外 6名)
学内:14名
合計:23名

【アンケート結果】
《満足度》
満足:3 概ね満足:8 どちらともいえない:0 やや不満足:0 不満足:0

《参考になった点》(抜粋)

  • ディプロマ・ポリシー(DP)とカリキュラムの整合性について見直す座標軸ができた。
  • 「学修成果」など海外から日本の文脈に移植された用語の曖昧さが混乱をもたらしている点、またそれを明確化しようとする説明は参考になった。
  • 教育の質保証のためには、学修成果目標の設定が必要であることが理解できるとともに、学修成果とはなにか考える機会を頂けた。

《分からなかった点・もっと説明してほしかった点》(抜粋)

  • 今後、「学位プログラム」中心の教育が求められていくこと、教員・学生双方の所属先となる日本の学部・学科の縦割り組織はそうした教育と適合性が低いことは理解できたが、その場合、組織をどのように改編していくことが考えられるのか。また誰が中心的にカリキュラムを構築・管理していくべきなのか。
    【川島先生からの回答】教育プログラムの柔軟な設計等を理由とした、教員組織(研究組織)と教育組織(学生の所属組織)の分離問題は、特に国立大学を中心として近年急速に取り組まれてきました。このテーマについては、国立教育政策研究所によるプロジェクト研究報告書があり、そちらの事例報告等に組織の改編過程やカリキュラム編成の問題も触れられていますので、ご参照下さい。
    http://www.nier.go.jp/05_kenkyu_seika/seika_digest_h27a.html
    ご指摘のとおり、教育プログラムの問題は大学組織の改革問題と表裏一体だといってよいでしょう。
  • 今回のワークショップや最近の文部科学省での議論等を踏まえると、今後「◯◯大学」という枠は意味をなさなくなり、「学位プログラム」単位で多様な学生が自由に履修できるようになるようにも思われるが、どう考えるか。
    【川島先生からの回答】渡り鳥のように、学生が幾つかの大学で学業を修めていくという考え方は欧州を中心に古くからありましたし、実際に単位互換システムによってそれなりに可能です。ただ、今回のセミナーのテーマは日本の文脈で学位プログラムの設計をどう考えるのかということでした。我が国では、ディプロマ・ポリシーは学位プログラムごとに設定することが望ましいとされ、そのディプロマ・ポリシーの構築は各大学の責任ですので、改革はまずはその枠組の中で進むものと考えられます。ただ、ご指摘のように、学生の大学間流動性を高めることは、国際的にも国内的にも大学教育の将来的な課題とされているといってよいでしょう。
  • 海外の授業に関連するルーブリックを参照したい。
    【深堀先生からの回答】ルーブリックは、学習内容に密に関連付けられた「課題」とセットで活用することで、さらにその課題に即して改変(ローカライズ)することで、その有効性が発揮されます。例えば、National Institute for Learning Outcome Assessment (NILOA) のAssignment Library には、大学教員から提案され、アセスメントの専門家によって査読された課題・ルーブリックがセットで掲示されていますので、ご参考になるかもしれません。
  • 深堀先生の講義でご紹介された欧米の学位資格枠組みは参考になった。日本の大学、特に所属する個別の日本の大学でこの考え方を踏まえた活動をどのように行っていくことが出来るのか、日本の大学のマネジメントの在り方や組織文化を踏まえ、その辺の設計・実施について何らかの示唆が頂けるともっと有り難かった。
    【深堀先生からの回答】大学教育の質保証には、合意された参照基準(共通性)と学位プロフィール(多様性)の考え方が重要であるというのが渾身のメッセージでした。日本では、高等教育コミュニティとして、学問分野別コミュニティとして、大学コミュニティとして、大学教育とは何かについて議論を深める機会を、努力して作っていく必要があると思います。個別の大学では、プログラム別に、例えば日本学術会議の分野別参照基準等を(批判的に)参照しながら、プログラムの学修成果(学際領域は複数の参照基準の組み合わせ)を具体化したうえで、その学修成果の獲得に個々の授業科目がどう貢献しているのかを検討してみてはいかがでしょうか。時間のかかることかもしれませんが、この点を押さえることが肝要です。
    From my course to our program.
  • コンピテンスと学修成果、学習成果の言葉の使い方の難しさ(理解してもらう前提となる合意形成の難しさ)を改めて実感した。
    【深堀先生からの回答】国立教育政策研究所では、機械工学分野のテスト問題バンクの構築に取り組んでいます(http://www.nier.go.jp/tuning/centre.html)。機械工学分野の抽象的な学修成果を、テストで測定する具体的な知識・能力(考える力を含む)に落とし込むことで、抽象的な学修成果についての合意形成を目指しています。それぞれの学問分野で、課題やテスト問題などを共同で作成する作業に取り組むことで、この分かり難さ、難しさの壁を突破できるのではないかと思います。
  • 大学ごとの就職傾向(職業プロファイル)を意識して、どのように学修成果目標に反映していくべきなのか、と思いました。例えば、研究型大学、職業志向の大学、それ以外の大学での、職業プロファイルの作成、学修成果目標への反映の方法等をご教示頂きたい。
    【深堀先生からの回答】参照基準を作成する際にも、学位プロフィールを同定する際にも、卒業生の進路先を考慮し、職業的レリバンスを追求することは、学術性や市民性を担保することと同様に、不可欠の視点といえます。例えば、教育学を学ぶ学生には、①教員、②公務員(教育行政等)、③より幅広く企業就職(教育産業・マスコミ等)、④教育学研究者を目指す者など多様な進路が想定されますが、それぞれの進路には異なる知識・能力セット(学修成果)が必要です。個々のプログラムは、どの進路先を目指す学生(の組み合わせ)を主なターゲットとするのかを明確にし、学生のニーズに即した特徴のあるプログラムを提供していくことが期待されます。

《その他のご意見・ご要望》(抜粋)

  • アクセスしやすい場所での開催を希望する(遠方からの参加が大変)。
  • 伊都は遠いなと思った。
    【事務局からの回答】開催場所に関するコメントありがとうございます。伊都キャンパス以外での開催については、他の研修会の際にもご希望を頂いております。それらのご意見を踏まえ、今後の研修会企画においても、伊都キャンパス以外(博多エリアなど)での開催を検討いたします。

 

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