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詳細内容

九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター > カリキュラム設計担当者養成プログラム「学修成果に基づく大学教育の展開に向けて(初級)」

カリキュラム設計担当者養成プログラム「学修成果に基づく大学教育の展開に向けて(初級)」

第1回(定員70名)
日時:平成30年9月7日(金)14:00-16:00
場所:西新プラザ 大会議室A

第2回(定員62名)
日時:平成30年9月13日(木)14:00-16:00
場所:JR博多シティ 9F会議室(2)

対応モジュール:専門的人材養成
 

┃カリキュラム設計FD(初級編)を開催しました

 

平成30年9月7日(金)と9月13日(木)にカリキュラム設計担当者養成プログラム「学修成果に基づく大学教育の展開に向けて(初級)」を開催しました。高等教育における「何を教えたか」から「何を学び、身に付けることができたか」への転換が強調される中、学修成果に基づく学生本位の教育を展開する必要性がより増しています。そのためには、大学教育をどのように設計・実施・評価・改善すればよいのか、いかなる教学マネジメントの仕組みを構築すればよいのか。今回の研修会では、比較教育学、高等教育論、教育課程論の観点から、学修成果に基づく大学教育をデザインするための基礎的な考え方、およびそれを推進する教学マネジメントの在り方について学びました。
 

┃開催概要

開催案内(PDF)
【日時・会場】(両日とも同じ内容です。)
●第1回(定員70名)
日時:平成30年9月7日(金)14:00~16:00
場所:西新プラザ 大会議室A

●第2回(定員62名)
日時:平成30年9月13日(木)14:00~16:00
場所:JR博多シティ 9F会議室(2)

【参加費】無料
【対象】学修成果に基づく大学教育に関心のある大学教職員、大学院生

【講師】深堀聰子(九州大学 教育改革推進本部・教授)

【プログラム内容】
 1. 学修成果重視の教育改革の背景
 2. 学修成果に基づく学位プログラムの設計・実施・評価・改善の方法
 3. 学修成果に基づく大学教育を推進する教学マネジメントの在り方


┃開催報告

【参加者情報】
学外:107名(うち県外 72名)
学内:10名
合計:117名

【アンケート結果】
《満足度》
満足:28 概ね満足:28 どちらともいえない:1 やや不満足:1 不満足:0

《参考になった点》(抜粋)

  • 今後カリキュラムを考えていく上での基準をどうすべきなのか考える機会になった。特に、学修成果と学習成果をきちんと区別した上で考えなければならないなと強く感じた。
  • 学修成果と学習成果の違いに関する問題点について、深堀先生の考えを知ることができ、参考になった。また、海外の事例やPEPA(Pivotal Embedded Performance Assessment)等の紹介についても参考になった。勤務校のカリキュラム改善に役立てたい。
  • これまで、カリキュラムなどを作成する際に、学修成果と学習成果を混在していたところがあり、今回の研修で明確となった。今後のカリキュラム、成果体系を再構築することに活用したい。
  • 学修成果に基づく大学教育について、日本、英国、大陸欧州、米国の丁寧な比較、解説が大変参考になった。
  • 最初に用語の定義を丁寧に解説してもらえ、その後の講義をスムーズに理解することができた。ともすれば、教える側の都合で科目を作りがちの傾向にあるが、学位プログラムとして何を教えるべきかを念頭に置いて、カリキュラムを組むことの重要性が理解できた。基本的な考え方であることは間違いないのだが、それが何故難しいのか、問いを繰り返している。
  • 学位プロフィールが学生の進路先、教育資源等を勘案して定める学修成果の組み合わせであることが分かった。参照基準を参考にするなどして本学の学位プロフィールを見直していきたいと思う。
  • 学修成果を重視する教育改革という文脈の中で、科目のスリム化、成績評価の基準化、パフォーマンス評価など、自学で個別には焦点化している施策がつながった。また、コースツリーの一例をあげられ、DP(ディプロマ・ポリシー)の要素も含めて「これを見て社会が信頼できると思うか」という話は大変説得力があり、この観点での意識改革が必要だと認識できた。
  • 曖昧にならざるを得ないDP(ディプロマ・ポリシー)および学修成果を用いたカリキュラムチェックの限界を感じていた。学修成果との使い分けにより、具体的な学習成果を教員団で共有したうえでカリキュラムチェックを行うことが有効であると感じた。また個々の科目を網羅的に確認するのではなく、科目群単位で確認を行うという考え方も効率的で有効と感じた。

《分からなかった点・もっと説明してほしかった点》(抜粋)

  • ナンバリングやツリーの作成が「仕事のための仕事」になっているような気がしてしまう。学生目線での作成がどの程度まで認められるのか、また、学習の可視化におけるPROGの位置づけは今後どのようになるのか。
    【深堀先生からの回答】カリキュラム・マップ(ツリー)の作成や、授業科目の構造化(ナンバリング)は、学位プログラム設計の方法論について理解が共有されていれば、それを推進する有力なツールになり得ると思います。学修成果の可視化は、学生が学位プログラムを通してどのような学修成果を身に付けたかを明らかにすることを目指す取組です。専門的な知識・能力はもちろん、いわゆるジェネリック・スキルも学問分野を通して習得されているものについては、学問分野の文脈で測定(アセスメント)していくことこそが、教育改善(教学マネジメント)に結びつくと私は考えます。
  • ディプロマ・サプリメントは具体的にどのような利用がされているのか、学位記に添付されているのか等についてお聞きしたい。
    【深堀先生からの回答】ディプロマ・サプリメントについては、大学教育再生加速プログラム(AP事業)の中で議論が深められているので、ご参考にされるとよいと思います。
  • 学位プログラムの設計・実施・評価・改善方法の詳細を説明していただきたかった。 カリキュラム設計等に関して研修会以外で理解・実施する書籍や論文を教えていただきたい。
    【深堀先生からの回答】今年度後半に学位プログラム設計(実践編)-哲学教育プログラムに関するセミナーを予定していますので、是非ご参加下さい。
  • PEPAはとても理念的に良いと思うが、親和性の低い学問分野ではどうしたら良いのか。また、親和性が高かったとしても、重要科目に位置付けられなかった科目や、そこから漏れたコンピテンスが、「周辺扱い」されないためにはどのようにしたら良いのかも、他分野の先生方からの意見を伺いたい。
    【深堀先生からの回答】今年度後半に学位プログラム設計(上級編)-PEPAに関するセミナーを予定していますので、是非ご参加下さい。
  • PEPAについて少しだけ疑問に感じた点がある。「重要科目以外はそれぞれの担当教員のエキスパートジャッジメントに委ねる」とある。科目の設計には組織としてかかわるが、エキスパートジャッジメントの能力形成時に組織的な取り組みがあるから、個々の科目運営には組織的な関与は不要ということなのか。
    【深堀先生からの回答】PEPAにおける重要科目には複数の教員が関わり、総力をあげて設計・実践・評価・改善に関わることが想定されています。そうすることで、当該科目に関わる教員のエキスパート・ジャッジメントを高めることが目指されます。そして、そこで涵養されたエキスパート・ジャッジメントを、当該教員が担当する他の授業科目にも適用することで、組織全体としてのエキスパート・ジャッジメントの底上げが目指されます。もちろん、すべての科目で組織的に展開することが望ましいわけですが、必ずしも実現可能ではありません。教育改善には時間と粘り強さが必要ですね。
  • エキスパート・ジャッジメントの仕組みがいま一つ理解できなかった。教員の専門性を尊重する考え方であろうとは思うが、自学に当てはめて考えた時、むしろブラックボックス化してしまい外部に説明できない要素になる危険性を感じた。DPと各科目の到達目標のひも付き方において、ジェネリックスキルの育成を伴う場合は整理が難しい印象だった。どうしても一つの科目が複数のDPとひも付いてしまうし、到達目標ではなくとも授業の中でジェネリックスキルを育成している主張が教員から出されてしまう。またジェネリックスキルの場合、それが授業を通じて身についたものか、正課外で身についたものかの仕分けも難しい。この辺りの整理手法・考え方についてご教示いただけるとありがたい。
    【深堀先生からの回答】「批判的分析」「論理的思考」「コミュニケーション能力」等をはじめとするジェネリック・スキルは、学問分野の文脈でどのように表出し、測定することができるのか。エキスパート・ジャッジメントの涵養は、専門的な知識・能力だけでなく、ジェネリック・スキルの定義・測定に関する専門性も含みます。これに焦点化したセミナーの実施を、平成31年度に計画したいと思います。
  • 専攻科目を担当する教員は、専攻分野の「知識・理解」「技能」の要請を強く意識する傾向にある。一方、一般・共通科目においては「態度・志向性」を意識することがより重要であるように感じる。しかしながら、全体として「知識・理解」に偏った授業や評価が行われているため、カリキュラム全体としての学修成果のバランスを欠いているのではないか。
    【深堀先生からの回答】認証評価の第三サイクルでは、一般教育と専門教育の関係性が焦点化されています。それを契機に、各大学・学位プログラムにおいてより統合的なカリキュラム設計を目指せることを願っています。

 

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