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九州大学 基幹教育院 次世代型大学教育開発センター > FD講演会「大学院理系研究室のマネジメント -風通しの良い研究室の構築に向けて-」

FD講演会「大学院理系研究室のマネジメント -風通しの良い研究室の構築に向けて-」

日時:令和2年2月17日(月)16:00-18:00
会場:九州大学 伊都キャンパス センター3号館3105・3106教室

対応モジュール:大学教職員職能開発
 

┃理系研究室マネジメントのFDを開催しました

 

令和2年2月17日(月)に「大学院理系研究室のマネジメント-風通しの良い研究室の構築に向けて-」を開催しました。今回の研修会では、多くのPI(Principal Investigator、主任研究員)が苦慮している研究室運営(ラボラトリーマネジメント)を取り上げました。当日は、北海道大学の谷口勇仁先生に、経営学の観点から、学生とのコミュニケーションにおいて「教員が勘違いしていそうなこと」などについて、お話して頂きました。参加者は、谷口先生の講演とグループワークを通して、学生のモチベーションを引き出すラボラトリーマネジメントについて考えを深めました。
 

┃開催概要

開催案内(PDF) ポスター(PDF)

【【日時】令和2年2月17日(月)16:00~18:00
【会場】九州大学 伊都キャンパス
センター3号館1階3105・3106教室

【定員】30名(先着順)
【参加費】無料
【対象】研究室運営に携わる研究者、PI(Principal Investigator)を目指す研究者、研究者を目指す学生、研究室運営に関心を持つ大学関係者

【講師】谷口勇仁(北海道大学 経済学研究科・教授)

※内容は昨年2月20日に実施したFD講演会と多くが重複いたします。


┃開催報告

【参加者情報】
学外:3名(うち県外 3名)
学内:12名
合計:15名

【アンケート結果】
《参考になった点》(抜粋)

  • ラボの問題を人やシステムの問題で無く、マネジメントの問題と捉えて解決法を模索するという考え方は、たいへん参考になった。
  • 経営学的な視点でのモチベーション管理は非常に参考となった。
  • 組織的怠業について。実例を当てはめて解説して頂けたので、今後生かせると実感した。
  • ヒラメパラドクスは自分が学部ゼミでまさに体験したこと(まさに「先生の中では答えがあるはずなのに」と発言した記憶がある)なので腑に落ちた。個々人の研究だからといって指示を疎かにしないようにすべきと納得できた。
  • 教職員に求められるマネジメントが項目ごとに完結に説明されたので学生にも分かり易かった。
  • 学生の指導法について、陥りがちな状況(例えば、学生が頑張るほど教員からの指示が増える、新入学生に明確に指示を出さない、など)を挙げ、その悪影響について根拠と共に明確に説明されていた。私の所属する研究室でも、教授の指導がまさしくそのような状況であり、私や学生たちがずっと苦しんでいたため、非常に納得できた。

《分からなかった点・もっと説明してほしかった点》(抜粋)

  • 指示的行動・援助的行動の定義が曖昧で、よく理解できなかった。
    【谷口先生からの回答】説明不足でごめんなさい!指示的行動とは、何を、いつ、どこで、どうやるかを指示し、目標やタスクを明確にすることです。他方、援助的行動とは、学生の努力を支援し、意見に耳を傾け、自信を持たせることです。詳しくは、ブランチャード 他 (2015)『新1分間リーダーシップ』ダイヤモンド社 で説明されているのでお読みいただければよいかと思います。
  • 前半の導入に割く時間を後半の内容の説明に当てた方が良いと感じた。後半の内容が良いだけに、飛ばし飛ばしになるのが勿体無い。
  • スライドで示されていた最後の事例に基づく知見の部分はもう少し説明が欲しかった。
    【谷口先生からの回答】ご指摘、ありがとうございます。最後は駆け足になってしまい申し訳ありませんでした。実は昨年度の研修会(2019年2月20日実施)は90分でしたが、時間が足りなかったため、今回は120分に設定させていただきました。しかし、色々お話ししたいことが多いため、結局最後は駆け足になってしまいました。次回からは駆け足になってもよいように、後半部分の配布資料を充実させたいと思います。
  • 配布されたスライド資料は一部だったが、他の部分についても著作権上問題がない部分を研修会終了後でも良いので、もらえると助かる。
    【谷口先生からの回答】この研修は、問題を解いていく過程で帰納的に理論を理解するというスタイルを採用しているため、事前に問題の答えを資料として配れません。ただ、研修終了後に資料を配布することは可能ですので、今後の研修では検討したいと思います。ご指摘、ありがとうございました。
  • 研究室運営を改善することのゴールには何を設定したら良いのだろうか。学生が卒業・修了することか。学生と教員のコミュニケーション量が増えることか。それとも、卒論・修論のクオリティが上がることか。
    【谷口先生からの回答】ご指摘、ありがとうございます。非常に重要な課題だと思います。抽象的な目標は、「研究・教育の質の向上」だと思いますが、ご質問にあるような具体的な目標は状況(研究分野、PIの経験・価値観、ラボの年数等)によって異なると思います。研修では触れませんでしたが、ラボ(学生)にとって魅力的な目標を設定することはマネジメントにとって非常に重要です。まずは卒業生に「何を目標にしていたか、何を目標にしたらよいのか」についてインタビューしてみるとよいと思います。
  • 教職員が発揮すべきリーダーシップとセットで、学生側に求められるフォロワーシップについても考えてみたかった。講義の中でもマネジメントは教職員だけの問題ではないというところから話が始まっていたので、もしまた谷口先生が来られる機会があれば少し盛り込んでほしい。
    【谷口先生からの回答】ご指摘、ありがとうございます。非常に重要な課題だと思います。実は昨年度の研修会(2019年2月20日実施)では学生に向けてのメッセージも付け加えていましたが、受講者のほとんどが教員であったため、今回の研修会では割愛した次第です。すごく簡単に言えば、「PIの発言や行動を表面的に解釈して右往左往するのではなく、冷静沈着に対応すること」が重要だと思います。機会があれば是非お話ししたいと思います。
  • 学生にも役立つ内容であったと思う。谷口先生が「“ラボマネ”を流行らせたい」と仰っていたことにとても共感できる。本講演会の継続を希望する。より多くの教職員がこうしたアイデアに触れる機会を積極的に作るべきと思うし自分自身、できるかぎり広めたいと思っている。
    【谷口先生からの回答】ありがたいお言葉、感謝申し上げます。「ラボマネ」という言葉が理系教員の間で一般的になれば、研究室のトラブルに直面した際、「これだから最近の学生は~」という解釈ではなく、「ラボマネをしくじった!」という解釈をするようになり、学生や教員にとって生産的な問題解決が可能になると考えています。共感していただき、ありがとうございます!

 

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