21世紀プログラム 9期生 |
阿部 紋子(あべ あやこ) |
留 学 先 :フィリピン大学 |
留学期間 : H22 年6 月 ~H23 年3 月 |
私は2010年6月から3月まで、フィリピン大学セブ校に交換留学しました。フィリピンは、留学先としてはマイナーな国ですが、私にとってはここに留学することはごく自然な流れでした。まず、姉がセブに在住していること、また私自身2006年に首都マニラに住んでいて、セブにも何度か訪れており、現地の様子を知っていたことが主な動機となりました。さらに、フィリピン大学セブ校では、以前から興味を持っていた芸術を専門として学べると分かり、ここに留学する決意を固めました。
交換留学先のフィリピン大学は、本校が首都マニラにあり、また国内各地に分校を持つ唯一の国立大学です。私は、そのセブ分校で、芸術学部の絵画専攻の学生として1年間を過ごしました。前期は鉛筆や木炭のデッサンを中心に学び、後期にはキャンバスを自作し、アクリル画や油絵を描きました。仮面を作る授業もあり、私はヴェネツィア風の仮面や、歌舞伎の面やお多福を作りました。学期末に、学内外で芸術学部の作品展を開催したこともいい思い出です。休日には、美しい海でダイビングに挑戦したり、高原で乗馬を楽しんだりして、セブでの生活を満喫しました。さらに、南国ならではの、マンゴーをはじめとするトロピカル・フルーツを年中味わえました。
私は、交換留学制度を利用したので、留学先の大学での授業料は免除されました。現地での生活費は5万円程度で、九州大学の奨学金(月額8万円)と渡航費補助(10万円)を受けられたので、未満で済んだので、金銭的に困ることはありませんでした。
フィリピンは、残念ながら日本ではあまりイメージが良くありません。発展途上国で、治安が悪くて、混沌とした感じ、といった印象、または、バナナの生産国、程度しか知られていないのかもしれません。しかし、実際にフィリピンに住んでみて、私のフィリピンに対する 印象はがらりと変わりました。フィリピンのマイナス面を補って余りあるプラス面をたくさん目にしたからです。豊かで美しい自然と、フレンドリーで心のきれいなフィリピンの人々と出会えたことは大きな喜びでした。また、なによりも、現役芸術家の先生方の熱心な指導を受け、未来の芸術家のクラスメートたちと共に、作品制作に没頭するまたとない日々を楽しめたことは貴重な経験でした。