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研究未来脳科学

このページでは、本研究室が掲げる研究構想「未来脳科学」の考え方と全体像を紹介します。 その背景にある視点、中核課題、研究の柱、そして今後の展望を整理しています。

未来脳科学とは:研究構想・戦略

未来脳科学(Future Brain Science)は、 未来の視点から現在の脳科学と社会設計を再構成する研究構想・戦略です。 私たちは脳を「現在を理解する対象」にとどめず、 「未来の社会を第一に置き、そこから現在を再設計するための基盤」として捉えます。

その際の基本姿勢は明確です。最初から「私の未来」「分野の未来」「組織の未来」を優先するのではなく、 未来の社会を出発点とし、そこから逆算して研究・教育・組織運営を設計します。 未来世代の視点を導入するフューチャー・デザインの発想を、 研究活動の設計原理として組み込みます。

未来社会から現在の脳へ光が伸びる構図で、未来脳科学の理念を象徴するイラスト

研究室の具体的な研究例や活動全体像については、研究内容もご覧ください。

中核課題:未来の視点を導入した思考を支える「持続可能なモチベーション」

未来脳科学の中心課題の一つは、未来の視点を導入したときに生じる 内発的動機づけ(モチベーション)の神経基盤です。 ここでいうモチベーションとは、躁的な高揚ではなく、 持続可能で方向づけられた行動を生み出す安定した状態を指します。 私たちはその神経機構を解明し、必要に応じて適切に増幅・調整する方法を探究します。 これは個人の行動変容にとどまらず、社会設計・制度設計の心理的基盤にも接続するテーマです。

研究の3本柱

1) 未来の視点を導入する思考の「設計」と「評価」:フューチャー・デザイン × 神経科学

未来世代の立場から現在を捉え直すフューチャー・デザインは、 意思決定の「結論」だけでなく、問題発見や思考の枠組みそのものを再構成する方法論です。 私たちは、この視点転換が思考の質や内発的動機づけに与える影響を、 心理指標と生体信号(脳波等)を組み合わせて実証的に評価し、 介入設計(条件設定・実施方法・ファシリテーション)へと落とし込みます。

2) 実験室から社会へ:フィールド脳科学(環境 × 感性 × 生体信号)

温熱環境、空間素材、香り、焚き火など、実世界の環境が思考や感情に与える影響を、 実験室/実環境の両方で計測し、統合的に評価します。 実装を前提とした評価指標の設計(何を、どう測るべきか)を含めて研究を構成します。

3) 受動計測から能動介入へ:ニューロフィードバックと状態変容

脳活動を測定するだけでなく、ニューロフィードバックを用いて脳機能の自己調節を促し、 不安低減やモチベーション向上など、持続可能な状態変化を実現する技術開発を進めています (契約上、開示できない部分があります)。 機序の理解と介入技術の開発を往復させることで、科学と実装を接続します。

多様な実験研究が支える統合研究

未来脳科学は単一テーマではなく、感覚・認知・感性評価など従来型の実験脳科学の蓄積によって成立します。 研究室では、視覚・嗅覚を中心とした実証研究、生体信号解析、実環境計測、データ解析手法の開発など、 多様な研究を継続しています。学生それぞれの関心やテーマも尊重し、そこから新しい統合の芽を育てます。

5年ビジョン:研究・教育・実装を束ねる研究拠点へ

今後5年間で、フューチャー・デザイン、フィールド脳科学、ニューロフィードバック、 そして教育デザインを束ね、分野横断のシナジーを生む研究拠点の形成を目指します。 研究成果を社会実装へ接続する経路を拡張し、大学・社会・未来をつなぐ研究活動を推進します。

共同研究をご検討中の方は、ご案内よりご連絡ください。

初版公開: 2026年02月19日
最終更新: 2026年04月15日